A-450の写真
TEAC A-450
STEREO CASSETTE DECK ¥89,800

1972年にティアックが発売したカセットデッキ。水平型ながら,前面に操作部を配置した,後のコンポスタイル
(前面操作型)の走りといえるデザインを採用した画期的な1台で,メカニズム系もしっかりした内容を持つ名機
でした。

A−450は,オープンリールデッキで定評のあったティアックらしく安定した走行を実現した精密なメカニズム系を
搭載しているのが大きな特徴でした。左右のリール台には一定のテープテンションを保つための新しいスリップリ
ング機構,直径90mmの重量級フライホイール,安定性と耐久性にすぐれたアウターローター・モーター,新しい
材質の平ベルトなどが採用され,カセットハーフ保持機構,キャプスタン,テープガイド,ピンチローラーアーム,ヘ
ッド取付部なども,ミクロン単位の加工精度で仕上げられていました。これらの結果,カセットデッキとして初めて
ワウ・フラッター0.07%以内,高級オープンリールデッキ並のテープスピード偏差という高い走行精度を実現して
いました。

フライホイールA-450のアンプ系

A-450のもう1つの大きな特徴は,ドルビーNRの搭載でした。A-450は,カセットデッキとして,最も早くドルビー
を搭載した1台で,徹底して高められた走行精度もドルビー搭載のためでした。
アンプ系もラインアンプを含む録音・再生イコライザーアンプはよりフラットな特性を実現し,広帯域な高級オープン
リールデッキと同等のものとしていました。
録再ヘッドは,HD(ハイ・デンシティ)フェライトヘッドを搭載していました。このヘッドは,厳選したフェライトを素材
に超精密ダイヤモンドカッターで高精度加工されたもので,ギャップの直線性が良く,クロストークが少なく,高域
に至るまで位相特性のすぐれたヘッドでした。また,テープと接触するコアー部は前面フェライトで覆われたハイパ
ーボリック(双曲線)形状で,コンターエフェクトが少なく,鏡面仕上げにより安定したヘッドタッチを実現していまし
た。

A-450のヘッド

テープセレクターは,バイアス,イコライザー独立のNORMAL,HIGH,CrOの3段切換で,クロームテープの再
生イコライザーには,当時としては珍しかった最新規格の70μsを採用し,高域のSN比を改善していました。
レベルメーターは,ワイドなスケールをもつVUメーターが前面に搭載されていました。さらに,+6dB以上で点灯
するピークレベルインジケーターが搭載され,急激なレベルオーバーも表示できるようになっていました。

入力系は,ライン入力とマイク入力を備え,それぞれ独立してレベルコントロールができるようになっていました。
フェードイン,フェードアウトのしやすい,ミキサー感覚のスライドボリュームでミキシング録音もやりやすくなって
いました。また,出力系は,2系統のアウトプット端子が装備されていました。
この時期に既にタイマーと連動できるタイマー録音機構も備え,デッキとしては珍しい電源スイッチ連度のACア
ウトレットも備えていました。

上面には,カセットテープが入れられるカセットボックスが備えられ,外観上の大きな特徴となっていました。また,
ホコリを防ぐためのアクリルカバーが標準で付属していました。

アクリルカバー

以上のように,A-450は,カセットデッキとして数多くの画期的な機能と性能を実現したエポックメイキングな1台
で,当時のカセットデッキの水準を大きく超えた性能をもち,その後のカセットデッキの高性能化の先駆者ともいえ
る名機でした。
 
 

以下に,当時のカタログの一部をご紹介します。
 
 


カセットデッキの最高峰
◎カセットデッキでワウ・フラッター0.07%を初めて
 実現したA-450
◎すべてのテープの性能をあますところなく引き出す
 バイアス,イコライザー独立3段切換機構
◎適正録音レベルを検知する本格的VUメーターと
 ピークレベルインジケーター
◎マイク,ラインのミキシング機構
◎ドルビーの応用範囲をさらに広げる
 ”ドルビーFM/ドルビーCOPY
◎留守録音ができるタイマー機構
◎オープンリールなみのぜいたくなアンプ回路
◎カセットボックス
◎アクリルカバー(標準付属品)
◎2系統のアウトプット端子
◎電源スイッチと連動したACアウトレット
●仕様●


トラック形式 4トラック・2チャンネル
使用テープ C-60,C-90カセットテープ
テープ速度 4.8センチ
モーター ヒステリシスシンクロナスアウターローターモーター
ワウ・フラッター(WRMS) 0.07%
早巻時間 C-60テープで95秒以内
周波数特性(総合) 30〜16,000Hz(クロームテープ)
30〜13,000Hz(ハイファイテープ)
30〜10,000Hz(レギュレーテープ)
SN比(3%THDレベル,WTD) 50dB
(ドルビーシステムにより録音・再生において
1kHzで5dB,5kHz以上で10dBの雑音低減が可能)
入力 マイク:0.25mV/−72dB(適合マイクロホン600Ω以上)
ライン:0.1V(入力インピーダンス100kΩ)
出力 ライン:0.3V(負荷インピーダンス10kΩ以上)
ヘッドホン:8Ω
外形寸法 176H×445W×270Dmm
重量 9.5kg
※本ページに掲載したA-450の写真,仕様表等は1973年10月
 のTEACのカタログより抜粋したもので,ティアック株式会社に
 著作権があります。したがって,これらの写真等を無断で転載・
 引用等することは法律で禁じられていますのでご注意ください。
   
 
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