C-2の写真
TEAC C-2
STEREO CASSETTE DECK ¥148,000

1979年に,ティアックが発売したカセットデッキ。同社のプレステージモデルC-1の弟機として発売された
モデルで,20万円超のC-1には及ばないものの,音質重視のしっかりした内容を持った堂々たる1台でし
た。

走行系は,上級機のC-1同様にデュアルキャプスタン方式が採用され,C-1の3モーター構成に対して,キ
ャプスタン用のFGサーボDCモーターとリール用のメカニカルガバナーDCモーターの2モーター構成となっ
ていました。しっかりしたメカニズム構成により,外乱の影響を抑え,ワウ・フラッター0.04%(WRMS)と
いう安定したテープ走行を実現していました。

C-2の走行系

ヘッド構成は,録音ヘッドと再生ヘッドが独立した3ヘッド構成で,C-1と同様のものとなっていました。録音
ヘッドは4ミクロンのギャップ,再生ヘッドは1ミクロンのギャップと最適なギャップ幅が設定されたHD(ハイデ
ンシティ)フェライトヘッドによるコンビネーションヘッドで,録音・再生性能とヘッドタッチや走行性の両立を図っ
ていました。消去ヘッドはメタルテープに対応して消去効率の高い新開発のヘッドを搭載していました。
また,保磁力の高いメタルテープに対応するため,発振器をパワーアップし,消去電流,バイアス電流の強化
が図られていました。
アンプ回路は,カップリングに使用するコンデンサーを厳選し,洩れ電流が非常に少なく高音質を実現してい
ました。また,ライン入力以外に本格的なマイク入力も備え,マイクアンプには,ローノイズトランジスタ(2SC-
1844(F))を採用し,ノイズレベルを従来比6dB低減していました。

テープポジションは,バイアス,イコライザー独立で,NORMAL,Co(CrO), METALの3ポジションが備えら
れ,別売のBIAS/EQカードCX-8(¥3,000)を使用することで,各ポジションのテープに対して,録音感度
BIAS,EQをそれぞれ微調整することが可能となっていました。CX-8をC-2に装着したまま表面の2本のネ
ジをはずすと半固定のボリュームが現れ,前面パネルのヘッドホン端子の上にあるTEST IN端子に別売の
発振器TO-8(¥5,500)を接続し,微調整するようになっていました。TO-8を接続して,入力ポジションを
TESTにするとメーター感度が20dBアップし,微調整がしやすくなるようになっていました。CX-8は脱着式で
あり,各テープごとにCX-8を用意すれば,精密に調整した条件が保存されることとなり,後のコンピューター
チューニングとは違いますが,テープごとにきちんと調整するという,非常にマニアックな使いこなしが可能と
なっていました。

CX-8CX-8

ノイズリダクションとしては,ドルビー(Bタイプ)が搭載されていました。さらに,別売のdbxシステムRX-8C
(¥98,000)を使用すると,本体のNRポジションをdbxにすることで,80dB以上のダイナミックレンジが実
現されるようになっていました。
その他,4入力・2出力の,オーディオミキサーMX-8(¥39,800)も用意されていました。これらの別売の
機器は,上級機のC-1と共通で,C-2とデザイン的にマッチングが図られており,C-1同様に,機能のグレー
ドアップが可能となっていました。

C-2のシステムアップ状態

以上のように,C-2は,最上級機C-1の弟機として,デザイン的にも機能的にも非常にハードなテープデッキ
ファンに向けた設計がなされており,使いこなしがいのある1台となっていました。


以下に,当時のカタログの一部をご紹介します。



予測され,かつ期待されていたもの
ほとんどすべてを充足させた
珠玉の音。


◎明晰なテープの流れを生み出す驚異の
 メカニズム−デュアルキャプスタン。
◎高級カセットは,本格的3ヘッド時代を
 迎えた。
◎話題のメタル(合金)テープ出現に,
 C-2はどう対応したか。

●メタルテープポジションを装備したテープセレクター
●テープの録音特性を微調できるBIAS/EQカード
●メタルテープに威力を発揮する3ヘッド。
●強力にパワーアップされた発振器。

◎息をのむ静寂,炸裂する爆音。恐るべき
  dbxの威力。RX-8C(ユニット別売)
◎厳選したコンデンサーを使用した
  高品質アンプ。
◎テープ調整専用のテストインプット。
◎留守録,目覚まし再生に便利な
  タイマー機構。
◎テープヒスを減少させるドルビーシステム。
◎録音のチェックやくり返し再生に便利な
  オートリワインド。
◎音に触れる感覚。
  伝統のティアック流オペレーション。
◎コマーシャルカットに威力,REC MUTE。
◎ピークを逃さずキャッチする
  ピークレベルメーター。
◎精密感をデザインした,
  差動型左右連動入力ボリューム。
◎EIA(19インチ)ラックにマウント可能。



●主な仕様●

トラック形式 4トラック2チャンネル・ステレオホニック方式
ヘッド 消去,録音・再生(コンビネーション)3ヘッド
使用テープ C−30〜C−90カセットテープ
テープ速度
4.8センチ
モーター FGサーボDCモーター×1(キャプスタン用) 
メカニカルガバナー DCモーター×1(リール用)
ワウ・フラッター 0.04%(WRMS)
早巻時間 C-60テープで60秒以内
周波数特性(総合) 20〜22,000Hz(30〜20,000Hz±3dB)/メタルテープ
20〜20,000Hz(30〜18,000Hz±3dB)/コバルトテープ
20〜17,000Hz(30〜16,000Hz±3dB)/ハイファイテープ
SN比(総合) 58dB (3%ひずみレベル,聴感補正)
ドルビーシステムにより録音・再生において
1kHzで5dB,5kHz以上で10dBの雑音低減が可能
80dB(同dbx IN)
入力 マイク:0.25mV/−72dB 
    (適合インピーダンス200Ω以上) 
ライン:60mV 
    (入力インピーダンス50kΩ)
出力 ライン:0.3V 
    (負荷インピーダンス50kΩ以上) 
ヘッドホン:8Ω
電源
100V AC,50/60Hz,28W
外形寸法 482W×147H×353Dmm
重量 12.5kg

※本ページに掲載したC-2の写真,仕様表等は1979年のTEAC の
 カタログより抜粋したもので,ティアック株式会社に著作権があります。
 したがって,これらの写真等を無断で転載・引用等することは 法律で
 禁じられていますのでご注意ください。

   
 
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