PART2
CDプレーヤーは比較的新しいコン ポーネントです。といっても
1982年に初めて商品化され,すでにその歴史も20年 近くに
なります。CDプレーヤーが登場したときのあの大騒動も ずいぶ
ん昔のことになってしまいました。技術の進歩の早い分野ですが
印象に残る名機・銘機も数多くあるように思います。
機種が多くなったので2ページ目に入ります。
Nakamichi 1000mb
ナカミチが1991年に発売したCDトランスポート。あの超弩級DATシス
テム「1000」とシステムを組むべく作られたトランスポートで,その磨か
れたような透明な音は高い評価を得ていました。また,搭載されたミュー
ジックバンクシステムによる高い機能性も誇りました。単体でCDプレー
ヤーとして使える一体型の1000mb/iも発売され,これもナカミチらしい
清澄な音を誇る名機でした。
YAMAHA GT-CD1
ヤマハが1991年に発売したCDプレーヤー。CD登場の当初からCD
プレーヤーに力を入れてきたヤマハが「GT」の名を冠して発売した渾
身の力作といえる超弩級機でした。あえて一体型にこだわり,凝りに
凝った筐体の構造をはじめ,各部にヤマハのノウハウと技術が投入さ
れていました。美しい外観も印象的でした。
Victor XL-Z1000A ビクターが1993年に発売したセパレート型CDプレーヤー。1993年
ですから懐古録とは言いにくいかもしれませんが,しっかりと物量を投
入した高級機として印象的な1台でした。優美なデザインが示すとおり
美しくしっかりした音を聴かせてくれる名機だったと思います。
PIONEER PD-3000
パイオニアが1987年に発売したCDプレーヤー。当時同社が展開し
ていた「EXシリーズ」の1台として,漆黒調仕上げの高級感のある外
観が印象的でしたが,その中身も,同社らしくLDプレーヤーでのノウ
ハウを生かし,贅沢に物量が投入されたしっかりしたものでした。
SANSUI CD-α907
サンスイが1986年に発売したCDプレーヤー。プリメインの名機07
シリーズが「グロッシーブラック」と称する光沢のあるブラックパネル
のデザインに変わり,同じく「グロッシーブラック」のパネルを持つ
CD-α907と07シリーズのアンプの組み合わせは,音,デザイン
ともベストマッチでした。
Accuphase DP-70V
アキュフェーズが1989年に発売した一体型CDプレーヤー。1987
年発売のDP-70のモデルチェンジともいえる機種で,20ビットの
D/Aコンバーターをディスクリートで組んで搭載した設計はアキュフェー
ズならではのものでした。何より音の良さが海外でも高い評価を得
ていた,CDソースの魅力をよく引き出してくれるCDプレーヤーでした。
KYOCERA DA-910
京セラが1984年に発売したCDプレーヤー。CDプレーヤーとして
は第2世代の1台ですが,京セラがKYOCERAブランドで本格的
に高級オーディオ分野へ進出を始めた頃に発売した,910の型
番を持つシリーズのCDプレーヤーとして,非常にグレードの高い
内容を持った隠れた名機的な1台でした。
YAMAHA CDX-2000
ヤマハが1987年に発売したCDプレーヤー。あのCDX-10000
のベースともなった前作CDX-2200をベースに,デジタルフィル
ター等をさらに強化した内容を持ち,繊細で美しい音を持つヤマハ
らしい高性能CDプレーヤーでした。
KENWOOD L-D1
1992年(ですからあまり古くない?)にケンウッドが発売したCDプ
レーヤー。「Lシリー ズ」 の一環として出されたモデルらしくターンテー
ブルメカニズム等,各部にこだわった作りの高級機でした。ケンウッド
らしい輪郭のはっきりしたかっちりとした音を聴かせてくれるCDプレー
ヤーでした。
MICRO CD-M2
1987年にマイクロが発売したCDプレーヤー。アナログの雄マイクロ
の本領発揮とでもいうかのようにその筐体は振動対策のため物量が
投入されたものすごいものでした。マイクロらしい重厚で優美なデザ
インと音が印象的な1台でした。
Victor XL-V1100
ビクターが1986年に発売したCDプレーヤー。CD発売当初,CD
においては比較的地味な存在であったビクターが発売した一体型
のCDプレーヤーで,D/A分離を図った内部の2ボックス構造など
地味な外観とは裏腹に中身の充実した実力機でした。
SANSUI CD-α717EXTRA
1988年にサンスイが発売したCDプレーヤー。NTTが中心になっ
て開発した1ビットDAC・MASHの技術を世界で初めて搭載して
市販されたCDプレーヤーでした。その外観通りの重厚で滑らかな
音をもっていました。
SONY CDP-R3
1989年にソニーが発売したCDプレーヤー。「ESシリーズ」の上の
クラスにあたる「Rシリーズ」に属するCDプレーヤーで,セパレート
型のCDP-R1a+DAS-R1aを一体化したといえる一体型の高級
機でした。
KENWOOD DP-1100SG
1987年にケンウッドが発売したCDプレーヤー。1984年のDP-1100
以来改良を重ねて積み上げられてきた機種らしく,中身の充実した実力
機でした。ケンウッドらしい,クリアで力強い音が特徴的でした。
LUXMAN D-500X’s
1990年にラックスが発売したCDプレーヤー。トップローディングの
筐体に正攻法でオーソドックスに物量を投入した音質重視の設計で
した。ラックスらしいシンプルで上品なデザインも魅力的な1台でした。
NEC CD-10
1989年にNECが発売したCDプレーヤー。初代CD-803以来CD
の分野で独自の頑張りを見せていたNECらしい1台で,16倍オー
バーサンプリングとしっかりした物量の投入などある意味正攻法の
設計が特徴でした。
Technics Z1000+X1000
1989年にテクニクスが発売したセパレート型CDプレーヤー。テク
ニクスの最高級機としてしっかりした作りがされ,自慢の1ビットDAC
MASHの性能をしっかり引き出した風格ある1台でした。
Lo-D DA-703D
1987年にローディーが発売したCDプレーヤー。中級機ながら,
DAD-001以来 CDの分野に力を入れていたローディーが開発
した力作でした。理詰め設計が ローディーらしさを感じる1台でし
た。
Technics SL-P999
1988年にテクニクスが発売したCDプレーヤー。マルチビット方
式のDACを搭載したテクニクスCDプレーヤーとしては,最後の
世代にあたるもので,テクニクスらしく高度な技術を投入した実
力派の中級機でした。
marantz CD-95
1988年にマランツが発売したCDプレーヤー。マランツはフィリッ
プスグループの一員としてフィリップス社と深い関係のもとCDプレー
ヤーを発売していまし た。その中でも音楽を聴く道具として完成度
の高さを高く評価されていた CDプレーヤーでした。純国産の機器
とは違った雰囲気をもつ1台でした。
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