DIATONE DA-P10
STEREO PREAMPLIFIER ¥60,000
1976年に,ダイヤトーン(三菱電気)が発売したプリアンプ。ダイヤトーンはスピーカーのブランドというイメー
ジが強く,アンプの分野ではあまりメジャーとはいえないブランドでした。しかし,スタジオ用のスピーカーも作っ
ていたダイヤトーンがそのためのシステムドライブ用アンプも作っており,しかも,エレクトロニクスの三菱電機
のオーディオブランドであるダイヤトーンはアンプでもすぐれた基礎技術を持っており,1974年には,高級セ
パレートアンプDA-P100DA-A100を発売し,高い評価を得ていました。そんなダイヤトーンがエントリー
クラスのセパレートアンプとして「Feature Series」を発売し,その中のプリアンプがDA-P10でした。

イコライザーアンプは,差動増幅1段,終段シングルの4石構成の回路を採用し,初段トランジスタには,三菱
の半導体部門の低濃度拡散技術によって開発された低雑音トランジスタ2SC-1919が採用されていました。
このトランジスタは,従来の低雑音トランジスタに比べて1/fノイズ(フリッカ雑音)が約2dB改善されたより低雑
音の特性を持つものでした。また,回路的には初段でのゲインを十分高くすることによって低雑音化が図られ
ていました。これらの結果,イコライザーアンプの入力換算雑音は,-126dB(Aカーブ補正),許容入力は,
270mV(1kHz,歪0.1%,電圧利得37dB)を実現していました。

プリアンプは,トーン回路を電圧増幅度が大きく対称ドライブで歪の少ないカレントミラー負荷の差動増幅1段
終段シングルの5石構成で,出力回路(フィルター回路)をNPNとPNPローノイズ,ハイhFEトランジスタを組
み合わせたインバーテッド・ダーリントン回路によるエミッタフォロア構成とすることによって,低歪率化(出力
1V,20Hz~20kHzで0.02%以下)を図っていました。

DA-P10のコンストラクションの特徴として,2モノラルコンストラクション(左右独立2電源+モノラル構成)が
ありました。電源回路,増幅回路すべてを,電気的,機械的にそれぞれ左右チャンネルに分離した構成で,
20kHzで80dB以上と,高域において高セパレーションを実現していました。また,左右電源分離により,低
域でのセパレーション特性も改善され,音像定位の明確な再生を可能としていました。
さらに,音質劣化の要因となる付属回路を極力少なくしてセパレーションの改善を図るとともに,アンプの心臓
部の電源には定電圧電源を採用して各回路間の相互干渉を抑え,クリアな音の再生を実現していました。

ボリュームは,22接点の本格的なアッテネーターが搭載され,ギャングエラーは,減衰度28dBまではそれぞ
れ1dB以内,減衰度30dB以上ではそれぞれ1.5dB以内に抑えられていました。
トーンコントロールは,独自のスイッチ付可変抵抗器を採用したもので,フラット位置では時定数回路を完全
に切り離し,全くフラットな周波数特性が得られるようになっていました。BASS,TREBLE独立に加え,L・R
も独立した構成となっていました。さらに,L・R独立したサブソニックフィルターも搭載されていました。さらに
L・R独立の出力レベルボリュームも搭載されていました。
入力は,PHONO2系統,TUNER,AUX,TAPE各1系統が搭載されていました。入力端子は,背面ではな
く,右サイドに設けられていました。



DA-P10は,同じ「Feature Series」のDA-A10などのパワーアンプとドッキングさせることができるように
なっていました。プリアンプ単体としては,奥行きが204mmと浅く作られており,パワーアンプとドッキングさ
せた状態でも奥行き377mmと,従来のプリメインアンプとほとんど変わらず,スペースファクター良く使うこ
とが可能となっていました。逆にいうと,パワー部とプリ部を完全に分離したプリメインアンプと考えることも
でき,セパレートアンプのメリットを取り込んだプリメインといったような,非常にユニークなアンプだったとい
えるでしょう。高域の華やぎのある,少し固めながらすっきりとクリアな音は,スピーカーにも通じるダイヤトー
ンらしさのある音でした。


DIATONE DA-P7
STEREO PREAMPLIFIER ¥40,000


「Feature Series」のプリアンプには,DA-P10の弟機としてDA-P7もラインナップされていました。ツインモ
ノラルコンストラクションではないものの,回路方式,ボリューム等のパーツは基本的に継承されていました。
機能的には,ローフィルターに加えハイフィルターも装備され,-20dBのオーディオミューティングも装備され
ていました。TAPE入力も2系統となり,相互ダビング機能も追加されていました。
「Feature Series」は,プリアンプがDA-P10,DA-P7の2種類,パワーアンプがDA-F15,DA-F10,DA-F7
の3種類というラインナップがあり,組み合わせにより,段階的な価格,仕様のプリメインアンプになるというも
ので,その意味でもユニークなアンプでした。海外では,そういった点も評価され,ある程度の人気を得ることと
なりましたが,国内では大きく話題になることもなく,地味な存在となってしまいました。


以下に,当時のカタログの一部をご紹介します。



セパレーションの改善
ダイナミック特性の改善
ダイナミックレンジの拡大

◎2モノラル・コンストラクション
◎音質本意設計
◎歪特性の改善
◎S/Nのよいイコライザーアンプ
◎周波数特性のうねりを無くしたトーンコントロール
◎左右独立のトーンコントロール
◎電源ミューティング回路
◎リモートスピーカー切換




●定格●

  DA-P10 DA-P7 
入力感度/入力インピーダンス PHONO1,2:2.2mV/50kΩ
TUNER:150mV/60kΩ
AUX:150mV/60kΩ
PLAY:150mV/60kΩ 
PHONO1,2:2.2mV/50kΩ
TUNER:150mV/60kΩ
AUX:150mV/60kΩ
PLAY1,2:150mV/60kΩ  
PHONO最大許容入力 270mV(2.2mV時1kHz,高調波歪率0.1%)  270mV(2.2mV時1kHz,高調波歪率0.1%) 
出力電圧/出力インピーダンス PRE OUT(50kΩ負荷時):定格1V/600Ω
                  最大9V/600Ω 
HEAD PHONE(8Ω負荷時):定格50mV
                   (PRE OUT150mV時)
REC:150mV/680Ω
PRE OUT(50kΩ負荷時):定格1V/600Ω
                  最大9V/600Ω 
HEAD PHONE(8Ω負荷時):定格50mV
                   (PRE OUT150mV時)
REC1,2:150mV/680Ω
高調波歪率(20Hz~20kHz) 1V出力時:0.02%以下
9V出力時:0.05%以下 
1V出力時:0.02%以下
9V出力時:0.05%以下 
周波数特性 PHONO(RIAA偏差):30Hz~15kHz±0.2dB
TUNER,AUX,PLAY:10Hz~70kHz 0dB,-0.5dB 
PHONO(RIAA偏差):30Hz~15kHz±0.2dB
TUNER,AUX,PLAY:10Hz~70kHz 0dB,-0.5dB
チャンネルセパレーション  PHONO:1kHz 100dB以上
      20kHz 80dB以上
TUNER,AUX,PLAY:1kHz 100dB以上
               20kHz 85dB以上 
 
トーンコントロール BASS ±10dB(100Hz)
TREBLE ±10dB(10kHz)
BASS ±10dB(100Hz)
TREBLE ±10dB(10kHz) 
フィルター  LOW:18Hz 12dB/oct LOW:18Hz 12dB/oct 
HIGH:9kHz 6dB/oct
ミューティング    PHONO -20dB
入力換算雑
(IHF-Aネットワーク,入力ショート)
PHONO:-126dB
TUNER,AUX,PLAY:-106dB
PHONO:-126dB
TUNER,AUX,PLAY:-106dB 
使用半導体  3FET,34Tr,15Di,1LED  2FET,26Tr,5Di,1LED  
電源  AC100V 50Hz/60Hz  AC100V 50Hz/60Hz 
電源ヒューズ容量  AC125V 10A  AC125V 10A 
消費電力(電気用品取締法)  15W  8W 
ACアウトレット  SWITCHED:2 TOTAL 6A
UNAWITCHED:2 TOTAL 3A 
SWITCHED:2 TOTAL 6A
UNAWITCHED:2 TOTAL 3A 
外形寸法  425W×169H×204Dmm  425W×169H×204Dmm 
重量  5.8kg  5.3kg
※本ページに掲載したDA-P10,DA-P7の写真,仕様表等は1976年6月の
 DIATONEのカタログより抜粋したもので,三菱電機株式会社に著作権があ
 ります。したがって,これらの写真等を無断で転載・引用等することは法律で
 禁じられていますのでご注意ください。

  
 
 
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