テープデッキのコーナー
PART10

オープンリールから始まった国産テープデッキの歴史。
それはカセットデッキの時代になり世界一の水準に達
したと言えるでしょう。何より,本来,会話記録用程度
にしか考えられていなかったカセットテープをハイファ
イ録音に使えるほどの性能に引き上げたのは,国産
メーカーのテープデッキたちでしょう。 
そんなテープデッキの名機,銘機を振り返ってみま
しょう。取り上げた機種が多くなってきたので表示の
時間等を考えてとうとう10ページ目に入りました。引
き続きごゆっくりご覧ください。



Panasonic RS-B965

1990年に,パナソニックが発売したカセットデッキ。松下電器(現パナ
ソニック)は,1965年に,オーディオブランドとしてテクニクスを立ち上
げ,オーディオ機器にテクニクスのブランド名をつけて展開し,高い評価
を受けていました。1989年に高級機はテクニクスブランド,中級機,普
及機にはパナソニックブランドと使い分ける方向に変わり,そんな中,
RS-B965はパナソニックブランドのカセットデッキの最上級機として登
場しました。


ALPINE/LUXMAN K-109

アルプス電気とラックスが作ったニューブランドALPINE/LUXMAN
が1986年に発売した
発売したカセットデッキ。ラックスは,1970年
代後半にカセットデッキ分野に参入し音質重視の高性能なカセットデッ
キを発売していました。そんなラックスは,1983年に,新開発の「G.T.
transport」などの凝ったメカニズム部と持ち前のアンプ技術を合体し
たカセットデッキK-05K-04,K-03というシリーズを発売しました。
その後継機ともいえるのがK-109でした。


Lo-D D-9

1982年に,ローディー(日立)が発売したカセットデッキ。日立はロー
ディーブランドで数多くのすぐれたカセットデッキを出し,世界初のコンビ
ネーション3ヘッド搭載の3ヘッドカセットデッキをはじめカセットデッキの
分野では,ヘッドだけでなく,モーター,素材技術など各部にすぐれた基
礎技術をもつ日立ならではの高い技術が感じられる製品が発売されて
いきました。その集大成的デッキとして,D-2200MBが1981年に発
売され,その技術を全面的に継承した1台がD-9でした。


AKAI GX-F51

1982年に,アカイが発売したカセットデッキ。アカイは,オープンリー
ルデッキの時代からすぐれた技術を発揮して多くの名機を作り上げて
きたブランドでした。そんなアカイが,それまでの技術や経験を生かし,
使いやすさと性能をトータルにレベルアップした新しいシリーズとして
「TOTAL ADVANCE DECK」を展開しました。3ヘッドデッキの
GX-F91GX-F71と2ヘッドデッキのGX-F51,GX-F31が展開さ
れました。この2ヘッドのシリーズの中の上級機がGX-F51でした。


SONY TC-K555

1981年に,ソニーが発売したカセットデッキ。前年の1980年に
栄光のナンバー「777」を復活させたカセットデッキの最上級機
TC-K777の弟機として発売された3ヘッドデッキで,前世代の
TC-K71,TC-K75等の3ヘッド機をレベルアップした内容を
持っていました。


SONY TC-K555ESⅡ

1984年に,ソニーが発売したカセットデッキ。その名称から分
かるように,1981年発売のTC-K555ESをモデルチェンジし
たデッキで,外観デザインはほとんど変わりはありませんが,内
容は大きく強化されていました。


Technics RS-M273

1981年に,テクニクス(現パナソニック)が発売したカセット
デッキ。この年,テクニクスは,メカニズムの技術とエレクトロ
ニクスの技術の両面からより高いバランスでまとめたことを特
長とした「IMPACT」の名称を冠したカセットデッキのシリーズ
を展開しました。598クラスながら2モーターフルロジックメカ
ニズムとdbxを搭載したRS-M255Xが発売されていました
が,その上級機として発売されていたのがRS-M273でした。


TEAC X-1000R

1981年に,ティアックが発売したオープンリールデッキ。ティ
アックは,テープデッキのブランドとしてすぐれた技術と歴史を
持ち,オープンリールデッキの分野では,アカイ,ソニーなどと
並んでトップブランドでした。そんなティアックが,1980年代に
入って新しいオープンリールテープの規格EEポジションに対応
して新設計したデッキが第1号機がX-1000Rでした。


marantz SD-74

1985年に,マランツが発売したカセットデッキ。マランツは,カ
セットデッキの分野ではあまりメジャーとはいえないブランドでし
たが,倍速録音再生デッキやアジマス自動調整機能装備のデッ
キなど,実はかなり個性的なカセットデッキを出していました。そ
んなマランツが,オートリバースに3ヘッドを搭載したカセットデッ
キとしてSD-74を発売していました。


Technics RS-646D

1976年に,テクニクス(現パナソニック)が発売した可搬型カセッ
トデッキ。1960年代に登場したコンパクトカセットは,日本のメー
カーが中心となって性能を高める努力がなされ,オーディオ用デッ
キとしてオーディオシステムの中に組み入れられていきました。そ
の一方,カセットテープのコンパクトさや扱いやすさを生かした可搬
型カセットデッキが登場してきました。そうした中の1台がD-46
(RS-646D)でした。


Victor TD-2380

1974年に,ビクター(現JVCケンウッド)が発売したオープンリール
デッキ。ビクターは,カセットデッキの時代になり,多くの機種を展開
し,評価を高めていったブランドですが,1970年代には,オープン
リールデッキにも多くの機種を展開していました。そうした中でも最
上級機として発売されていたのがTD-2380でした。


OPTONICA RT-3150

1977年に,オプトニカ(シャープ)が発売したカセットデッキ。家電総
合メーカーであったシャープは,1974年頃より,オーディオブランド
として「OPTONICA」を立ち上げ,アンプ,スピーカー,プレーヤーを
はじめ,各コンポーネントにしっかりと技術や物量を投入した製品を
作っていました。カセットデッキの分野でも,個性的な製品をいくつか
登場させました。そうした中で,同社得意のマイコン技術を生かした
1台がRT-3150でした。


TRIO KX-880

1982年に,トリオ(現JVCケンウッド)が発売したカセットデッキ。
当時のトリオは,アンプ,チューナーなどの分野で高い評価を受け
ていました。しかし,カセットデッキの分野では,意欲的なモデルを
発売していたながら,あまりメジャーなブランドとはいえませんでし
た。そうした中,2ヘッド構成ながら基本をしっかりと作り上げ,評
価を一気に高めたのがKX-880でした。


YAMAHA K-750

1983年に,ヤマハが発売したカセットデッキ。ヤマハは,カセット
デッキの分野では後発ですが,ヤマハらしさを感じさせる美しいデ
ザインのカセットデッキを発売し,アンプ系が生み出すヤマハトーン
に通じる音とともに評価を得ていました。そんなヤマハが発売した
オートリバースデッキがK-750でした。


TEAC C-3X

1980年に,ティアックが発売したカセットデッキ。ティアックは,
1970年代に入り,カセットデッキに数多くのすぐれた製品を
発売していました。1978年にはC-1,1979年にはC-1mk2
C-2C-3といった高性能な3ヘッドデッキの「Cシリーズ」を発
売し,高い評価を得ていました。そして,この中のC-3の発展
型として発売されたのがC-3Xでした。


PIONEER CT-A7

1984年に,パイオニアが発売したカセットデッキ。パイオニアは,
オーディオ総合ブランドとして,オープンリールデッキ,カセットデッ
キにも力の入ったモデルを作っていました。そして,この年,各部
にしっかりとこだわった作りのCT-A9を発売し,高い評価を受け
ました。その弟機として発売されたのがCT-A7でした。


EXCELIA XK-007

1988年に,アイワがEXCELIA(エクセリア)ブランドで発売した
カセットデッキ。当時アイワはEXCELIA(エクセリア)ブランドを展
開し,音質重視の高性能なカセットデッキやCDデッキ,DATデッ
キを発売していました。そして,エクセリアブランドのカセットデッ
キの中でXK-009に次ぐ弟機として発売されたのがXK-007で
した。


SONY TC-K96R

1978年に,ソニーが発売したカセットデッキ。カセットデッキの
オートリバースデッキは,アカイなどから比較的早く商品化され
ていました。ソニー自身も水平型デッキの時代に1971年に,
TC-2300という形で商品化していました。その後正立透視型
のコンポーネント型デッキの時代に入ってのソニー初のオート
リバースデッキがTC-K96Rでした。


Lo-D D-8

1982年に,ローディー(日立)が発売したカセットデッキ。日立
は,昭和48年(1973年)に世界初のコンビネーション3ヘッド
搭載の3ヘッドカセットデッキを発表した技術力が高く評価され
この方式は,3ヘッドカセットデッキの標準的な方式ともなりまし
た。それ以降も多くの3ヘッドデッキを発売していったローディー
は,1982年に,D-9,D-8,D-7という型番の3ヘッドデッキの
「D-1桁シリーズ」を発売しました。D-8は,その中の中間の機
種でした。


TEAC R-666X

1984年に,ティアックが発売したカセットデッキ。ティアックは,
回転系メカニズムを伴う機器,特にテープデッキにおいてすぐ
れた技術をもつブランドとして,高い評価を受けていました。そ
んなティアックは1984年に,R-999Xを頂点とするオートリバ
ースデッキのシリーズ「Rシリーズ」を展開し,その中の中級機
にあたる機種がR-666Xでした。

※ここに掲載された写真は,各製品のカタログからの抜粋で,
 その版権・著作権等は,各オーディオメーカーにあります。
 したがって,これらの写真を無断で転載等することは,法律
 で禁じられている行為ですのでご注意ください。

  
   
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