PART4
オープンリールから始まった国産テープデッキの歴史。
それはカセットデッキの時代になり世界一の水準に達
したと言えるでしょう。何より,本来,会話記録用程度
にしか考えられていなかったカセットテープをハイファ
イ録音に使えるほどの性能に引き上げたのは,国産
メーカーのテープデッキたちでしょう。そんなテープデッ
キの名機,銘機を振り返ってみましょう。取り上げた機
種が多くなってきたので表示の時間等を考えてついに
4ページ目に入りました。ごゆっくりご覧ください。1978年にオーレックス(東芝)が発売した受注生産の高級デッキ。
オーレックス独自開発のノイズリダクションadresを搭載し,当時開
発中のメタルテープへの対応もいち早く果たした意欲作でした。
AKAI GXC-735D1978年にアカイが発売したカセットデッキ。国産初(世界初?)の
クイックリバースデッキで,カセットデッキのオートリバースに長い
歴史と経験を持つアカイならではの1台でした。
Lo-D D-1501976年にローディー(日立)が発売した可搬型カセットデッキ。こ
のタイプのカセットデッキでは珍しい,3ヘッド,デュアルキャプスタ
ンという構成を持つデッキで,ローディーらしい1台でした。
Aurex PC-G90AD1982年にオーレックス(東芝)が発売したカセットデッキ。オーレッ
クス自慢のアドレス搭載デッキで,最も進んだ技術を搭載したアド
レスデッキであるとともにアドレスデッキの最終形となった1台でし
た。
Technics RS-M851978年にテクニクスが発売したカセットデッキ。国産初のクォー
ツロックDDモーターを搭載したテクニクスらしいデッキで,正立透
視型カセットデッキとしては限界ともいえる薄型筐体を実現したテ
クニクスの技術を示した1台でもありました。
AIWA XK-S9000
1991年にアイワが発売したカセットデッキ。アイワ最後の高級
デッキともいえるカセットデッキで,各部にアイワの徹底したこだ
わりが見られた印象的な1台でした。
SONY TC-K555ESX
1986年にソニーが発売したカセットデッキ。「ESシリーズ」とし
ては初めてメカニズムを中央に配置した,ミッドシップドライブ・
システムを採用したモデルで,これ以降の「ESシリーズ」のカ
セットデッキの原型ともなった1台でした。
OPTONICA RT-W7
1980年にオプトニカ(シャープ)が発売したカセットデッキ。
いわゆるダブルデッキですが,ダビングができるというメリッ
トと録音デッキ,再生デッキを独立させて音質を追求すると
いうコンセプトを持った珍しいダブルデッキでした。
KENWOOD KX-9050S
1992年にケンウッドが発売したカセットデッキ。3ヘッド,
デュアルキャプスタンというオーソドックスに音質を追求し
た構成に,ドルビーSタイプを搭載したもので,ケンウッド
最後の本格的音質追求型のデッキとなってしまいました。
DENON DR-F8
1981年にデンオン(現デノン)が発売したカセットデッキ。
前作のDR-F1,DR-F2,DR-F3のシリーズを大幅に改
良し強化したともいえる内容を持つモデルで,DDモーター
の搭載,コンピューターチューニング機構の採用など内容
の充実した1台となっていました。
PIONEER CT-1000
1977年にパイオニアが発売したカセットデッキ。大型の
筐体を持つ当時の同社のカセットデッキの最上級機で,
3ヘッド,デュアルキャプスタンなどオーソドックスに音質
を追求した1台でした。
Lo-D D-909
1984年にローディー(日立)が発売したカセットデッキ。
コンビネーション型3ヘッドのオリジネーターであるロー
ディーの技術力を発揮した高級デッキで,ローディーの
3ヘッドデッキとして,最後の世代につながって いった
1台でもありました。
Technics RS-AZ7
1995年にテクニクス(松下電器)が発売したカセットデッ
キ。中級機ながら独自の高性能ヘッドを開発搭載した1
台で,その再生音は独自の個性をもつすばらしいもので
した。
SONY TC-FX1010
1981年にソニーが発売したカセットデッキ。全面フラッ
トパネル,ツマミ類の突起が一切無いというユニークな
デザインが目立つ個性的なカセットデッキでソニーの歴
史の中でもユニークな1台だったと思います。
Victor KD-3
1975年にビクターが発売した可搬型カセットデッキ。初
のセンダスト合金ヘッド・センアロイヘッドを搭載したのが
本機で,据え置き型デッキに負けないすぐれた性能を持っ
た力作でした。
SONY TC-6150SD
1973年にソニーが発売したカセットデッキ。ソニー初の
3ヘッドカセットデッキで,自社開発の独立型3ヘッド方式
デュアルキャプスタンの走行系など高度な内容を持った
高級デッキでした。
TEAC AL-700
1976年にティアックが発売したエルカセットデッキ。「オー
プンリールの音をカセットで」のうたい文句のもと,ソニー,
ティアック,テクニクスが共 同開発したエルカセット規格の
ティアックの第1号機でした。
ONKYO TA-680
1978年にオンキョーが発売したカセットデッキ。それまで
テープデッキの分野では,あまりメジャーとはいえなかった
オンキョーが,テープデッキについての基礎研究に力を入
れ,各部にしっかりとした技術を投入して作り上げた高級
デッキでした。
TEAC A-7400RX
1975年にティアックが発売したオープンリールデッキ。い
わゆる2トラ38機で,当時のティアックのオープンリール
デッキの中でも最上級機にあたる1台でした。民生用デッ
キとして初めてdbxを内蔵し,余裕あるオープンリールに
さらに余裕を持たせた高性能なテープデッキでした。
AKAI PRO-1000
1977年にアカイが発売したオープンリールデッキ。2トラ
38の高級機で,当時のアカイのプレステージモデルといっ
た存在でした。その余裕溢れる性能はアナログ録音機とし
て非常に高いレベルにあるものでした。
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