PART6
オープンリールから始まった国産テープデッキの歴史。
それはカセットデッキの時代になり世界一の水準に達
したと言えるでしょう。何より,本来,会話記録用程度
にしか考えられていなかったカセットテープをハイファ
イ録音に使えるほどの性能に引き上げたのは,国産
メーカーのテープデッキたちでしょう。そんなテープデッ
キの名機,銘機を振り返ってみましょう。取り上げた
機種が多くなってきたので表示の時間等を考えてとう
とう6ページ目に入りました。引き続きごゆっくりご覧く
ださい。
TEAC V-9000
1989年にティアックが発売したカセットデッキ。左側にメカニズムの
ある従来型のオーソドックスなデザインの3ヘッドデッキとしては最後
の世代にあたる1台で,スマートな外観ながら,ティアックらしいしっか
りとした作りのデッキでした。
PIOEER CT-980
1981年にパイオニアが発売したカセットデッキ。当時のパイオニアの
特徴的なデザインの中に,3ヘッドと再生オートリバースというフィーチャー
を盛り込んだ意欲作でした。
NEC K-537
1983年にNECが発売したカセットデッキ。NECは当時オーディオと
いうイメージからは遠く,カセットデッキの分野でも目立った製品はあ
りませんでした。そんなNECから発売された本格的3ヘッドデッキが
K-537でした。
Aurex PC-X55AD
1980年に,オーレックス(東芝)が発売したカセットデッキ。オーレッ
クス自慢のアドレスデッキの中では,エントリーモデル的存在でしたが
隠された機能を持つ変わり種モデルでもありました。
DENON DR-L2
1981年に,デンオン(現デノン)が発売したカセットデッキ。同社初
のオートリバース搭載のカセットデッキでしたが,非常に速いリバー
ス速度を実現しているなど,リバース機に対するデンオンの意地が
感じられる1台でした。
TEAC V-8000S
1991年に,ティアックが発売したカセットデッキ。90年代に入りセン
ターメカを採用してデザインの印象も大きく変わってきたV-4桁シリー
ズの最上級機で,同社初のドルビーS搭載モデルでもありました。
SONY TC-KA7ES
1994年に,ソニーが発売したカセットデッキ。最後のESシリーズの
高級デッキで,ヘッド,走行系もしっかりと技術が投入され,ドルビー
Sも搭載されるなど,各部にソニーの熱意が感じられる1台となって
いました。
AKAI GXC-750D
1977年に,アカイが発売したカセットデッキ。オープンリールデッ
キなみの3ヘッド,3モーターという構成をカセットデッキに投入した
コンポスタイルのデッキで,同社の高いデッキ技術が示された1台
でした。
AIWA AD-FF8
1981年に、アイワが発売したカセットデッキ。3ヘッド,デュアル
キャプスタン方式はもちろんのこと,マイコンによるオートチューニ
ングなど当時最新のスペックを投入しながら,比較的手ごろな価格
を実現していた高いコストパフォーマンスを誇る1台でした。
Technics RS-690U
1975年に、テクニクスが発売したカセットデッキ。テープデッキ部
と録再アンプ部が独立した筐体になっている、国産初(世界初)の
セパレート型カセットデッキで当時のテクニクスのカセットデッキに
かける熱意があふれる1台でした。
SONY TC-K75
1979年に,ソニーが発売したカセットデッキ。ソニーの正立透視型
カセットデッキとしては初めての3ヘッドデッキで,オーソドックスにき
ちんと煮詰められたメカニズム系を中心に,しっかりした性能を持っ
た1台でした。
AKAI GX-9
1984年に,アカイが発売したカセットデッキ。前年まで,10万円を
大きく超える超高級機をトップモデルとして据えていた同社のカセッ
トデッキの中では,やや地味な存在に見られがちでしたが,オーソ
ドックスに技術や物量が投入された正統派の3ヘッドデッキで,すぐ
れた性能を持った1台でした。
AKAI GX-93
1986年に,アカイが発売したカセットデッキ。上のGX-9の実質的
な後継機にあたります。しかし,この後アカイはA&Dブランドへと移
行するため,AKAIブランド最後の高級デッキとなりました。
ONKYO TA-7X
1981年に,オンキョーが発売したカセットデッキ。同社の最高級
デッキ
TA-9Xの弟機といった存在で,同社は,カセットデッキでは
あまりメジャーなブランドではありませんでしたが,基本部分がしっ
かり作り込まれた1台
でした。
SONY TC-FX7
1980年に,ソニーが発売したカセットデッキ。ソニー史上,ある
いはカセットデッキ史上最も薄いパネルを持つカセットデッキで,
カセットテープを立てて装着する正立透視型としては限界ともい
える薄さのカセットデッキでした。
SANSUI SC-77
1979年に,サンスイが発売したカセットデッキ。サンスイ初の
メタル対応型のデッキSC-○○シリーズの最上位機で,サン
スイらしい精悍なデザインも特徴的でした。
TEAC R-9000
1989年に,ティアックが発売したカセットデッキ。型番から分か
るとおり,このページに掲載されているV-9000の姉妹機にあ
たるモデルですが,こちらは3ヘッドのオートリバースメカニズム
を搭載したデッキとなっていました。
Victor TD-V711
1987年に,ビクターが発売したカセットデッキ。それまでの同社
の特徴であった右側カセットホルダーのカセットデッキから,オー
ソドックスでハードなデザインに変わり,メカニズム等の内容的に
も大きな転機となった1台でした。
YAMAHA K-2
1978年に,ヤマハが発売したカセットデッキ。K-1の弟機で,中
級機ですが,ヤマハ初の3ヘッド構成を採用するなど,オーソドッ
クスに技術をしっかりと投入した意欲作でした。
KENWOOD KX-9010
1989年に,ケンウッドが発売したカセットデッキ。比較的手ごろ
な価格の中級機ながら,充実した中身をもつ本格的な3ヘッドデッ
キで,コストパフォーマンスの高い1台でした。
※ここに掲載された写真は,各製品のカタログからの抜粋で,
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