DP-2700の写真
DENON  DP-2700
DIRECT DRIVE PLAYER SYSTEM ¥73,000

1973年に,デンオン(現デノン)が発売したプレーヤーシステム。デンオンは,1970年に
放送局用レコードプレーヤーDN-302Fを発売し,翌1971年には,そのターンテーブル部
を民生用化したDP-5000を発売するなど,DD方式ターンテーブルでは,テクニクスと並ぶ
もう一つの強力ブランドでした。そして,DP-5000の弟機DP-3000の技術をベースとした
ターンテーブル部を核にまとめ上げられたプレーヤーシステムが,DP-2700でした。

ターンテーブルは,直径30cm,重量1.1kgのアルミダイカスト製で,モーターの軸にターン
テーブルが直結されたダイレクトドライブ方式がとられていました。モーターには,DP-3000
と同じ方式のソリッドローター形ACトルクモーターが搭載されていました。このモーターは,
トルクは大きくないものの,他の同期モーターやDCモーターに比べ,振動が少なく滑らかな
回転性能を持つもので,デンオンのターンテーブルの大きな特徴となっていました。ターンテー
ブルには厚さ5mmのゴムシートが付属し,表面には帯電防止処理が施されていました。

DP-2700のモーター

ターンテーブルのリムの内周には1000個,波長誤差0.01%の高精度でパルスが磁気記録
され,これを磁気ヘッドで検出し,その周波数に応じた電圧に変換,基準電圧と比較してモー
ターに加える電圧を制御するという,DP-5000に準じた「高精度磁気記録再生方式」によるス
ピード検出とサーボ回路が搭載されていました。針圧などの負荷条件が変化しても安定した回
転が確保され,温度補償も充分に行われ,また,直流安定化電源が内蔵されており,電源周波
数や電圧の変動,温度変化の影響を受けにくくなっていました。
以上のような,回転の滑らかなACモーターと応答性と安定性にすぐれたサーボ系により,重量
1.1kg,慣性質量160kg-cm2という ターンテーブルの軽量化が実現され,1/3回転という,
ほぼ放送局用機 なみの起動を実現し,軸受けの負担を軽くして耐久性 を高めることともなってい
ました。

DP-2700のアーム

アームは,軽針圧カートリッジも対応したもので,ラテラルバランス(アームの左右の傾きの バラ
ンス)のとれたS字形アームが搭載されていました。このアームは,当時のデンオンの設計方 針
でインサイドフォースキャンセラーもあえてつけられていませんでした。針圧調整は,マイク ロメー
ター形直読式で,4〜17gの自重のカートリッジに対応していました。アームの精度を左右 する
回転軸受部は,放送局用のアームの経験を生かした設計となっていました。水平回転軸受とし
て2個の高精度ミニチュアベアリングが二重のハウジングにより保護される構造となっていま し
た。上下回転部は,特殊弾性材で保護された摩擦変化の最も少ないアンギュラ形ベアリングと
焼入れ精密研磨したピボットを組み合わせ,外部振動・衝撃に対して安定な構造とするととも に
アーム自体の共振も最小限に抑えられていました。コードには低容量出力コードが使用されて
いました。

キャビネットは,アルミダイカストと木製アームボード(53mm厚)を組み合わせた構造 で,デンオ
ンのプレーヤーの中でも珍しいタイプでした。フレームとアームボードの接合部,ダストカ バー,
アーム取付部などの各所に粘弾性材料を使用し,脚部インシュレーターの効果とあいまって高 い
防振効果が確保されていました。

DP-2700のエージング風景

以上のように,DP-2700は,アナログプレーヤーの中級機としてオーソドックスなが ら,しっかり
とした設計がなされた実力機でした。組み立てが終わったDP -2700をはじめ,同社のアナログ
プレーヤーは検査の後,エージングが行われて出荷されていたなど,当時のデンオンの製品に
対する姿勢も感じられるエピソードも残っています。


以下に,当時のカタログの一部をご紹介します。



DP-2700は放送局用機を永く手がけている
DENONの自信作として,創意と信頼性に満
ちた完成度の高いプレーヤーです。


◎ダイレクト・ドライブ・サーボターンテーブル。
◎サーボ回路を左右するスピード検出は,
 DENON独自の高精度磁気記録再生方式
 を採用。
◎回転の滑らかなACモータ採用。
◎軽量ターンテーブルと速い立上がり。
◎防振対策は万全です。
◎放送局仕様に準じたトーンアーム。
◎ゴムシートは厚さ5mm,レコードが取扱 い
 やすい形状にし,表面に帯電防止処理を
 ほどこしました。
◎組立が終わったDP-2700は厳密な製 品検査
 ののち,長時間のランニングテスト(エー ジング)
 をへて出荷されます。




●DP-2700の仕様●



■フォノモーター部■

駆動方式
ダイレクトドライブ
モータ
ソリッドローター形ACトルクモータ
スピード制御方式
周波数検出による電圧サーボ方式
回転数
331/3rpm,45rpm
回転数調整範囲
±3%(各回転数独立調整)
ワウ・フラッタ
0.03%wrms以下(テストレコードによる)
S/N比
60dB以上
起動特性
1/2回転(1.8秒)以下,(331/3rpm時)
ターンテーブル
30cmアルミダイカスト 自重1.1kg(慣性質量160kg-cm2)



■トーンアーム部■

形式
スタチックバランスS字形アーム
有効長
244mm
オーバーハング
14mm
オフセット角
20.5°以内
トラッキングエラー
±2°以内
針圧調整範囲
0〜3g(1目盛0.5g)
適合カートリッジ自重範囲
4〜17g
ヘッドシェル自重
8.5g
アーム高さ調整範囲
40〜50mm
ヘッドコネクタ
EIA規格4Pコネクタ
アームリフタ
オイルダンプ式



■総合■

ターンテーブルフレーム
アルミ合金ダイカスト
アームボード
木製ウォールナット仕上げ(板厚53mm)
電源
AC100V 50/60Hz
消費電力
12W
寸法
510W×175H×430Dmm
重量
12kg


※本ページに掲載したDP-2700の写真・仕 様表等は1974年9月
のDENONのカタログより抜粋したもので,デノン株式会社に著作
権があります。したがって,これらの写真等を無断で転載引用等を
することは法律で禁じられていますので,ご注意ください。

 
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