LS-100の写真
TRIO LS-100
2WAY SPEAKER SYSTEM ¥37,000

1980年に,トリオ(現ケンウッド)が発売したスピーカーシステム。トリオは,1981年に曖昧さを徹底して
排した高剛性の固まりともいえるLS-1000を発売し,スピーカーにおいて異彩を放つ存在となっていきま
した。LS-100は,同様の設計思想をもち,LS-1000に先行して発売され,エントリーモデルながら個性
的なデザインと設計を見せたスピーカーシステムでした。

LS-100の最大の特徴は,「リニアレスポンス」を標榜して,徹底的に応答性を高めようとした設計にあり
ました。そのために,剛性を高めたスピーカーユニット,エンクロージャーの設計がその個性的な外観イメー
ジにつながっていました。これは,実験的試作機として作り上げられていた,LS-1000での技術的な成果
が生かされていたといわれています。

ウーファーは,25cm口径のコーン型ですが,振動板には通常適度なインナーロス(内部損失)をもたせる
のが普通であるのに対し,振動板の強度を上げて分割振動を抑えればインナーロスは不要となるという考
えのもと,インナーロスを排除して伝達ロスをなくしていこうとする設計となっていました。その結果,採用さ
れたのが「リブドHA(ホットエア)プレスコーン」でした。これは,通常のパルプコーンですが,紙繊維をプレス
することなく,熱風で成型するため繊維破壊が少なく音の濁りの少ないホットエアプレスコーンに,これと同
一素材のリブを設けたもので,通常のコーン紙の限界強度を大きくしのぐ高剛性でクリアな音を再生する
コーンユニットとなっていました。

LS-100のスピーカーユニット

トゥイーターは,4cm口径のプレーンラジエーター(平面振動板)が搭載されていました。高い周波数におい
て発生する分割振動を抑え,信号に忠実なピストニックモーションを実現する高い剛性を得られるよう,強度
の高いアクリルレジンのプレーンラジエーターが採用されていました。

LS-100の内部

エンクロージャーは,バスレフ型で,機械強度的に最も安定性がよく余分な有害振動が発生しにくいバッフル
面中央にウーファーが配置されていました。また,ウーファーからの振動をトゥイーターに伝えにくくするため
に,トゥイーターのバッフル面を独立させたダブル分離構造のバッフル板が採用されていました。
さらに,ネットワークコイルを遠隔配置するとともにアースラインの抵抗を減少させ,電気的にもユニット間の
相互干渉を抑えていました。

以上のように,LS-100は理詰めの正攻法の設計が特徴のスピーカーシステムで,トリオがスピーカーにお
ける飛躍のきっかけとなったLS-202とともに,バランスのとれた性能は高い評価を得ました。見かけによら
ず広く音楽ジャンルに対応できる使いやすい1台となっていました。


以下に,当時のカタログの一部をご紹介します。



音楽のための忠実応答。
リニアレスポンス。
”インナーロス”を発見したLS-100


◎パワーリニアリティ+周波数レスポンス
 =リニアレスポンス。いい音を解く方程式
◎インナーロスを追放すると
 音場までも再現するクオリティ
◎インナーロスを追放する
 リブドHAプレスコーン。
 音の輪カクが鮮やか。
◎周波数レスポンスと
 パワーレスポンスにすぐれた
 アクリルレジンのプレーンラジエーター
◎楽器のポジションが明確になる
 独自のネットワークと
 無共振エンクロージャー




●LS-100定格●


●ウーファーLC-107●

型式
25cmコーン型
出力音圧レベル
91dB/W(1m)
インピーダンス
8Ω
磁束密度
9,300GAUSS
総磁束
114,200MAXWELL


●ツイーターHF-0099●

型式
φ40プレーン・ラジエーター
出力音圧レベル
91dB/W(1m)
インピーダンス
8Ω
磁束密度
15,500GAUSS
総磁束
38,400MAXWELL



●総合●

型式
25cm2ウェイ
エンクロージャー
バスレフ方式
再生帯域
35Hz〜20,000Hz
最大入力
90W
定格入力
60W
インピーダンス
8Ω
出力音圧レベル
89dB/W(1m)
クロスオーバー周波数
2,000Hz
寸法
300W×590H×311Dmm
重量
14kg

※本ページに掲載したLS-100の写真,仕様表等は1984年3月
 のTRIOのカタログより抜粋したもので,ケンウッド株式会社に
 著作権があります。したがって,これらの写真等を無断で転載,
 引用等をすることは法律で禁じられていますのでご注意ください。

                        
 

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