M-07の写真
LUXMAN M-07
POWER AMPLIFIER ¥750,000

1987年に,ラックスが発売したステレオパワーアンプ。1983年に発売された純A級動作の大型のパワー
アンプM-05の直系の後継機として開発されたパワーアンプで,より現代的かつ充実した設計がなされ,当
時のラックスのパワーアンプの最高級機でした。

M-07の最大の特徴は,純A級動作のパワーアンプであることで,ラックス自身「真正ピュアA級」と称してい
ました。バイアス電流固定の純A級動作のアンプは,通常のAB級のアンプに比べて効率が悪く(約1/4程
度といわれている)同じ出力を確保するには大型の電源部,大量の発熱を逃がす仕組みなどめため,大型
になってしまいます。実際,M-07も100W+100Wの出力に対して,重量は52kgにも達する大型のアン
プになっていました。弟機のM-06では,出力もやや抑え,ダウンサイジング(使いやすい大きさ・重量に収
めようと)する設計が行われていましたが,M-07では,あえて小型化は行われず,物量を存分に投入した
まさに超弩級アンプとして設計が行われていました。

M-07の内部M-07のパワーブロック

M-07は,上述のように,純A級動作で100W+100W(8Ω,20Hz〜20kHz,両ch同時動作)の大出力
を実現し,さらに,モノラルアンプとして使用すると400Wの大出力を可能としていました。純A級動作ゆえの
発熱に対応して,大容量のヒートシンクと放熱ファンが搭載され,安定したアンプ動作が確保されていました。
電源部は,重量9kgものトランスがL/R独立で2個搭載され,さらに,冷却ファン用トランス2個,デジタル表
示用トランス1個と,合計5個ものトランスを搭載した5電源構成となっていました。アンプ用の大型の電源トラ
ンスは,ボビンを排した無酸素銅線による手巻き仕様で,すぐれたレギュレーションと強力な電流供給能力を
実現していました。

M-07のリアパネル

内部は,完全なL/R独立のツインモノラル構成で,電源コード,電源トランスから基板,冷却用ファンまでL/R
が完全に分離されており,チャンネル間の相互干渉が徹底的に抑えられていました。ボトムシャーシには,剛
性が高く比重の大きい特殊素材が用いられ,18mm厚アルミ押出材による重厚なフロントパネル,硬質木製
キャビネットなどにより,不要振動がしっかり抑えられていました。
パーツ等の面でも,PC-OCC(単結晶高純度無酸素銅線)による配線,窒素ガス封入金接点リレー,電源イ
ンピーダンスを低減するバスバー,固定抵抗使用12ポイント高精度アッテネーター,極太ケーブルにも対応
可能な超大型スピーカー端子など,高品質なものが厳選して使用されていました。

フロントパネルには,特徴的なデジタル表示のピークパワーメーターが装備されていました。前モデルのM-05
ではアナログ式のレベルメーターが装備されていましたが,大きくデザインイメージが変わり,当時,賛否両論
もきかれたものでした。このデジタル式のパワーメーターは,表示ホールド時間は1/3/5秒の3段階に切り換
えられ,表示対応インピーダンスも4/6/8Ωに切り換えが可能となっていました。さらに,メーター輝度が,ディ
マースイッチにより3段階に切り換えられるようになっていました。また,表示系全体の電源をOFFにして信号
系から完全に切り離すこともできるようなっていました。また,上述のように12ポイントのレベル調整ができる
アッテネーターが装備されていました。これらの操作系は,シーリングパネル内に収められていました。
入力系は,通常のCOAXIAL(RCA)によるSTEREO/MONOの入力の他に,キャノンコネクターによるバラ
ンス入力(STEREO/MONO)を備えていました。特に,バランス入力は,ペアを想定されるコントロールアン
プC-06との組み合わせも考えた,反転アンプを介さないダイレクトバランス入力に対応していました。

以上のように,M-07は,純A級動作による高品位な音を実現するために,しっかり物量と技術やノウハウが
投入され,前モデルのM-05に比べ,純A級ならではの美しい音色に加え,よりクリアでシャープな音が実現
されていました。


以下に,当時のカタログの一部をご紹介します。



音楽に到達したか,
真正ピュアA級の表現力。


◎ピュアA級100W+100W,モノラル時400W。
◎独立5電源トランスを搭載した強大な電源部。
◎出力を直読できるデジタルパワーメーター。
◎ツインモノリシック構造と無共振シャーシ。
◎妥協を排した音質最優先パーツを随所に採用。




●SPECIFCATIONS●

連続実効出力
ステレオ使用時:100W+100W(8Ω,20〜20kHz,A級両ch同時動作)
モノラル(バランス入力)使用時:400W(8Ω,20〜20kHz)
入力感度
ステレオ使用時:1V/100W
モノラル(バランス入力)使用時:1V/400W
入力インピーダンス
ステレオ使用時:50kΩ(COAXIAL),100kΩ(BALANCE)
モノラル(バランス入力)使用時:100kΩ
入力レベル調整
50kΩ固定抵抗切換式,12ポイントアッテネーター(COAXIAL)
全高調波歪率
ステレオ使用時:0.008%以下(8Ω,両ch同時動作)
モノラル(バランス入力)使用時:0.008%以下(8Ω)
混変調歪率
ステレオ使用時:0.008%以下(8Ω,60Hz:7kHz=4:1)
モノラル(バランス入力)使用時:0.008%以下(8Ω,60Hz:7kHz=4:1)
周波数特性
ステレオ使用時:5Hz〜300kHz+0,−3dB
モノラル(バランス入力)使用時:5Hz〜300kHz+0,−3dB
SN比
ステレオ使用時:120dB(IHF-A)
モノラル(バランス入力)使用時:120dB(IHF-A)
ダンピングファクター
500(8Ω,50Hz)
付属装置
ピークホールド付デジタルピークパワーメーター(メーターOFFスイッチ付)
COAXIAL/BALANCE入力切換スイッチ
BTL接続スイッチ,エレクトロスタティックスピーカー用端子
ファンスピード3段階切換スイッチ,ラインフェーズセンサー
消費電力
280W×2
電源電圧
AC100V(50/60Hz)
外形寸法
438W×220H×474Dmm
重量
52kg


※本ページに掲載したM-07の写真,仕様表等は1987年のLUXMANのカタ
 ログより抜粋したもので,ラックス株式会社に著作権があります。したがって,
 これらの写真等を無断で転載・引用等することは法律で禁じられていますので
 ご注意ください。

  
 
 
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