PL-707の写真
PIONEER  PL-707
FULL AUTO DD PLAYER ¥59,800

1983年に,パイオニアが発売したフルオートプレーヤー。パイオニアは,伝統的にすぐれた
アナログプレーヤーを作ってきたブランドで,総合的に高い技術を持っていました。1980年
前後の時期を見ても,エクスクルーシブブランドのP-3a,パイオニアブランドのPL-70・・・と
すぐれたマニュアルプレーヤーを作る一方,PL-88Fのようなコンパクトでユニークなプレー
ヤー,PL-L1のようなリニ アトラッキングプレーヤーなど多彩なプレーヤーを高い完成度で
作っていました。そのような中,PL-70LU50L,30Lなどのマニュアルプレーヤーのイメ
ージを残しつつ,便利なフルオートプレーヤーとして完成されたのがPL-707でした。

PL-707のトーンアームDRSの構造

PL-707の大きな特徴はトーンアーム部にありました。トーンアーム自身の無用な振動や共
振を抑えるためのDRA(Dynamic Resonance Absorber)が新開発され,搭載されていま
した。その仕組みは,適度なバネ特性を持つダンパーとウェイトから成る副共振帯をアームに
装着したもので,アームの共振に対して正反対の振動を与えることにより,元の共振を吸収す
るというユニークなものでした。
アーム自体は軽量で剛性が高く,内部損失が大きいというすぐれた素材であるカーボングラファ
イト製のストレートアームで,軽量で高剛性のカーボンファイバーヘッドシェル及び,カートリッジ
やウェイトをアーム軸に近づけた質量集中方式により,アーム系,ピックアップ系全体のローマ
ス化・無共振化が実現されていました。また,アームベースはガッチリした構造で,高密度・高剛
性のキャビネットに強固に固定されていました。

PL-707は,フルオートプレーヤーで,マイクロコンピュータの制御で,専用モーターにより駆動
されるようになっていました。アームとあわせ,フォノモーターの回転数切換や回転停止も,マイ
コンが集中制御されるようになっており,フェールセーフ機構により,操作ミスによる危険な動作
を防ぐようになっていました。また前面に集中した操作系により,前面操作が容易になっていま
した。

PL-707のモーター

モーターは,パイオニア自慢のSH・ローター方式のコアレスモーターが搭載されていました。SH・
ロー ター方式は,Stable Hanging Rotorの略で,これまでモーターの底部にあったローター
の支点をターンテーブルのすぐ下に移動することによりターンテーブルの重心と支点をほぼ一致さ
せ,安定した回転を実現したものでした。モーターの駆動方式は,コアレス構造のクォーツPLL DC
サーボモーターで,駆動コイルを空芯としてコアを使用せず,扁平コイルで磁界を発生させることに
より,部分的な磁場の強弱をなくし,ゴギングを激減させたモーターでした。

キャビネットは,内部損失の大きいソリッドボードをがっちりと組み合わせた強固な構造となっていま
した。インシュレーターは,プレーヤーシステムの重心とインシュレーターの支点をほぼ同じ高さにし
てサポートするパイオニア自慢の「低重心構造インシュレーター」を搭載し,縦・横両方向の振動を
抑制する構造になっていました。また,キャビネットの仕上げは,上級のPL-70LU,PL-50L,PL-
30Lなどを思わせる美しいもので,機能的なアームまわり,ターンテーブル部のデザインとあわせ
そのイメージを受け継ぐものでした。

PL-707には,パイオニアが独自開発したMCカートリッジが付属していました。このカートリッジは,
左右独立6極4マグネットの磁気回路の採用により磁束密度を大きく高め,2.5mVというMMカー
トリッジ並の高出力を実現し,MMポジションで使えるようになっていました。このカートリッジは,マグ
ネットとコイルを左右独立としてセパレーションを高めた左右独立構造をとるとともに,シンプルな構
造となっており,MC型ながら針交換が可能になっていました。

以上のように,PL-707は,PL-70LU等のマニュアルプレーヤーの上級機の技術や特徴を受け継
ぎ,使いやすさもしっかりと考えられた,実用的で性能のよいフルオートプレーヤーでした。オーソドッ
クスで使いやすく,コストパフォーマンスの高い1台であったと思います。


以下に,当時のカタログの一部をご紹介します。



プレーヤーはかくあるべし
という姿を徹底して追求した,
音質最優先のフルオート機。


   トーンアームから共振を追放。
◎新開発,DRA&カーボングラファイト アーム。
   音楽だけにひたりきれる。
◎マイコン制御のフルオートプレーヤー。
    透みわたる再生音。
◎2.2mVの高出力MCカートリッジ。
   回転ムラ0.012%以下(WRMS/FG直読法)を実現。
◎SH・ロータ方式&コアレスモーター。
    無共振化へのテクノロジー。
◎高密度キャビネット&低重心インシュレーター。




●PL-707の仕様●



■フォノモーター■

モーター コアレスQuartz PLL DCサーボ・ホールモーター
駆動方式 ダイレクトドライブ
軸受構造 SH・ローター方式
ターンテーブル直径 31cm
回転数 33 1/3・45rpm
回転数切換え タクトスイッチに
回転ムら 0.012%以下(WRMS FG直読法) 
0.025%以下(WRMS/JIS)
SN比 80dB以上(DIN−B)
起動特性 1/3回転以内
速度検出方式 全周積分方式FG
回転数偏差 0.002%以内
ドリフト 時間ドリフト:0.00008%/h 
温度ドリフト:0.00003%/℃
ブレーキ機構 純電子式



■トーンアーム■

形式 スタティックバランスストレートアーム
実効長 235mm
オーバーハング 15mm
トラッキングエラー +2.3度 −1.3度
針圧調整 ウェイト1回転3g
適合カートリッジ自重 3〜8g(ヘッドシェルを含まず)
高さ調整範囲 ±3mm



■カートリッジ■

型式
MC型
(針先0.3×0.7milダイヤモンド楕円針,交換針PN-6MC)
出力電圧
2.2mV(1kHz,5cm/secLAT.Peak)
適正針圧
2g±0.3g
周波数特性
10〜35,000Hz



■その他■

付属機構 オートリードイン,オートカット,オートリターン
オートリピート,クイックプレイ/クイックストップ
消費電力 7W
供給電圧 AC100V,50/60Hz
外形寸法 460(W)×164(H)×409(D)mm
重量 8.0kg

※本ページに掲載したPL-707の写真・仕様表等は1983年2月
のPIONEERのカタログより抜粋したもので,パイオニア株式会社
に著作権があります。したがって,これらの写真等を無断で転載,
引用等をすることは法律で禁じられていますので,ご注意ください。

 
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