PART10

国産プリメインアンプは,海外製にはない思い切った物量を
投入したモデルなどなかなか個性的なモデルがそろってい
たと思うのは私だけでしょうか。かつて国産オーディオ界が
華やかなりしころには,そんな個性的で魅力的なプリメイン
アンプたちがそろっていました。プリメインアンプのコーナー
も10ページ目となりました。






SANSUI AU-α907iMOS LIMTED

1987年に,サンスイが発売したプリメインアンプ。サンスイはプリメイン
アンプ「07シリーズ」が高い評価を受け,ロングセラーを続け,何世代
にもわたりモデルチェンジしていきました。そうした中,1947年に創立
したサンスイが創立40周年記念モデルとして発売した「07シリーズ」の
限定モデルがAU-α907i MOS LIMITEDでした。


PIONEER SA-9800

1974年に,パイオニアが発売したプリメインアンプ。当時のパイオニ
アのプリメインアンプとして最上級機であったSA-9900の弟機で,独
特の筐体構造をはじめ,回路方式等多くの部分を継承しつつコストパ
フォーマンスを高めた1台でした。


SANSUI AU-707

1976年に,サンスイが発売したプリメインアンプ。サンスイは伝統
的にプリメインアンプに多くの製品を送り出してきたブランドで,ブ
ラックパネルの高性能な製品群で高い評価を得ていました。そん
なサンスイが,カップリングコンデンサーを排除するDCアンプ化の
流れの中で,より新しい高性能なプリメインアンプとして開発された
のがAU-707でした。


NIKKO A-800

1975年に,ニッコー(現日幸電機製作所)が発売したプリメイン
アンプ。ニッコーは,1935年に創業した日幸電機製作所のオー
ディオブランドで,1962年に,日本初のオールトランジスタステレ
オアンプをオーディオフェアで発売するなど,当時すぐれたオーディ
オ機器を発売していました。そんなニッコーが,激戦区ともいえる
価格帯に投入したプリメインアンプの主力モデルがA-800でした。


Lo-D HA-5700

1979年に,ローディー(日立)が発売したプリメインアンプ。
ローディーは,パーツの面から自社開発できる強みを生かし
1977年に,世界初のパワーMOS FET使用のパワーアン
HMA-9500を発売し,翌年の1978年にプリメインアンプ
HA-8700,HA-7700を発売しました。そして,その弟機と
して発売されたのがHA-5700でした。


A&D DA-U7000

1988年に,A&Dが発売したプリメインアンプ。A&DはAKAI
とDIATONE(三菱)が共同で立ち上げたオーディオブランドで,
AKAI以来の伝統の高性能なデッキをはじめ,DAT,アンプな
ど魅力的な機器を発売していました。,デジタルオーディオの
時代の中,D/Aコンバーターを搭載した,デジタルソース対応
アンプとして発売されたのがDA-U7000でした。


SONY TA-F60

1978年に,ソニーが発売したプリメインアンプ。ソニーは,1977
年にTA-F6Bでパルス電源を開発・搭載し,話題を集め,パルス
電源搭載アンプをプリメインアンプ,セパレートアンプへと展開して
いきました。そんなパルス電源を搭載したプリメインアンプの第2世
代の売れ筋価格帯の機種として発売されたのがTA-F60でした。


PIONEER A-100

1983年にパイオニアが発売したプリメインアンプ。1979年の
A-900で可変バイアスによる「ノンスイッ
チング・アンプ」を開発
したパイオニアが,新たに電源部切り換え方式を採用し,作り上
げたプリメインアン
A-200A-150,A-120というシリーズ
の中で末弟に当たる機種として発売されたのがA-100でした。


YAMAHA A-950

1983年に,ヤマハが発売したプリメインアンプ。ヤマハは,プリ
メインアンプでは,1973年のA-1より,「A1桁シリーズ」を展開し
多くの意欲作を発売していました。そして,1983年に,「A1桁シ
リーズ」に代わって新世代のシリーズとなり,第1弾として発売され
たのがA-950とA-750でした。


PIONEER A-04

1993年に,パイオニアが発売したプリメインアンプ。1992年
に発売された超弩級プリメインアンプA-09の弟機として発売さ
れ,プリメインアンプとしては超高級機であったA-09に対し,よ
り手頃な,より現実的な価格で発売された,当時,末弟となる機
種でした。


TRIO KA-8300

1978年に,トリオ(現JVCケンウッド)が発売したプリメインアン
プ。トリオは,オーディオ機器のソリッドステート化に最も早くから
取り組んだブランドで,国産初の左右独立2電源方式のプリメイ
ンア,国産初のDCパワーアンプ搭載のプリメインアンプを発売
するなど,アンプの分野では,プリメインアンプを中心にすぐれ
た製品を送り出していました。この年トリオが,KA-9900を頂
点とする新しいラインナップの中で,KA-8700の弟機にあたる
中級機として発売したのがKA-8300でした。


Technics SU-V6

1979年に,テクニクス(現パナソニッック)が発売したプリメイン
アンプ。SU-V10以来,同社が展開していった可変バイアスに
よるノンスイッチング方式である「ニュークラスA方式」を採用し
たプリメインアンプの中のエントリークラスの売れ筋価格帯に投
入されたモデルがSU-V6でした。


SONY TA-F555ESJ

1992年に,ソニーが発売したプリメインアンプ。ソニーは,1986
年に,TA-F333ESXを発売し,クラス最大の物量を投入した設計
が高い評価を得ました。そして,上級機としてTA-F555ESXも発
売され,こちらも,当時クラス最大の物量投入が行われていました。
555の型番は,この後TA-F555ESXⅡ→TA-F555ESR→
TA-F555ESG→TA-F555ESL→TA-F555ESAとモデルチェ
ンジされ,TA-F555ESJへと続きました。


PIONEER SA-810

1972年に,パイオニアが発売したプリメインアンプ。差動増幅,
±2電源方式など,当時最新の回路方式や技術を全面的に採
用し,すぐれた性能を実現していたSA-910の弟機として発売
されたのがSA-810でした。


Technics SU-V90D

1987年に,テクニクス(現パナソニック)が発売したプリメイン
アンプ。1986年にALPINE/LUVMANのLV-109が発売さ
れたのを皮切りに,各社からD/Aコンバーター内蔵のプリメイ
ンアンプが発売されていきました。そんな中,テクニクス初の
D/Aコンバーター内蔵型のアンプSU-V100Dの弟機として発
売されたのがSU-V90Dでした。


ONKYO A-722NⅡ/160

1974年に,オンキョーが発売したプリメインアンプ。オンキヨー
はスピーカーからスタートし,ソリッドステートアンプ時代に入り,
アンプの分野にも進出し,高い技術力を示していきました。オン
キヨーは1969年に,プリメインアンプの「インテグラシリーズ」を
スタートさせ,1973年にはA-711を発売し,弟機としてA-722
も発売されました。翌年の1974年にはA-722Ⅱをはじめとす
る「Ⅱシリーズ」が発売され,さらに1974年に「NⅡシリーズ」が
展開されていきました。「NⅡシリーズ」はプリメインアンプだけで
なくチューナー,セパレートアンプなどが展開され,プリメインアン
プの最上級機がA-722NⅡでした。


Victor JA-S7

1972年に,ビクターが発売したプリメインアンプ。この年よりビク
ターが展開していたプリメインアンプの「JA-Sシリーズ」の1台で,
当初展開された「JA-S1桁シリーズ」では,JA-S9の弟機として
発売され,基本設計を受け継ぎ,コストパフォーマンスを高めた1台
でした。


SONY TA-3650

1975年に,ソニーが発売したプリメインアンプ。ソニーは1974年
に,国産初(世界初?)のV-FETを出力段に使用したFETプリメイ
ンアンプTA-8650を発売し,「ES-Ⅱシリーズ」を展開し始めまし
た。同年には第2弾のTA-4650を発売し,翌年の1975年には,
第3弾のTA-5650を発売し,共通したデザインの「ES-Ⅱシリー
ズ」のラインナップが展開されていきました。そして,さらにその弟機
として発売されたのがTA-3650でした。


PIONEER A-500

1979年に,パイオニアが発売したプリメインアンプ。アメリカのスレッ
ショルド社の「ダイナミックバイアス・クラスA」
に端を発する可変バイア
ス方式による疑似A級動作のノンスイッチング方式は,1970年代後
半には,日本の各メーカーのアンプに様々な名称で採用されるように
なりました。パイオニアも1979年にA-900A-700,A-500といっ
たプリメインアンプのシリーズに初搭載し発売しました。A-500は,そ
の中のエントリーモデルにあたる機種でした。


SONY TA-F40

1979年に,ソニーが発売したプリメインアンプ。ソニーは,1977年
TA-F6Bでパルス電源を開発・搭載し,話題を集め,パルス電源
搭載アンプをプリメインアンプ,セパレートアンプへと展開していきま
した。そんなパルス電源を搭載したTA-F80を最上級機とするプリ
メインアンプの第2世代のシリーズの末弟に当たるモデルがTA-F40
でした。

※ここに掲載された写真は,各製品のカタログからの抜粋で
その版権・著作権等は,各オーディオメーカーにあります。し
たがって,これらの写真を無断で転載等することは,法律で
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