Technics SL-01
DIRECT DRIVE PLAYER SYSTEM ¥80,000
1977年に,テクニクス(パナソニック)が発売したプレーヤーシステム。1970年に世界初のD.D.(ダイレクト・
ドライブ)方式のターンテーブルSP-10を開発したテクニクスは,
DD方式のオリジネーターとして,1971年に,
世界初のDDプレーヤーシステム・SL-1100を発売し,さらに,より使いやすくコンパクトなプレーヤーとして,
1972年にSL-1200を発売しました。この後も,DDプレーヤーで幅広い製品を展開し,高い技術力を発揮し
ていきました。そうした中,機能を絞り,高い性能を実現つつ,できるだけコンパクトにまとめ上げたプレーヤー
システムがSL-01でした。

幅429mm×高さ99mm×奥行368.5mmという,もともとコンパクトに仕上げられたSL-1200よりも,さらに
ひと回りコンパクトな筐体に,本格的なクォーツロック・DD方式のフォノモーターユニットが搭載されていたことが
大きな特徴でした。
このフォノモーターユニットは,SP-10MK2の技術やノウハウを受けついで開発されたSP-20をベースにした
もので,高精度で静かな回転を実現していました。起動トルク1.5kg・cmという高トルクのブラシレスDCモー
ターで,ターンテーブル内側にモーターのローター部分が組み込まれ,一体構造となったテクニクス独自の強力
なモーターでした。サーボ系は、水晶振動子を使う基準発振器とプッシュプルFGとの組合せによる位相制御方
式で,駆動電子回路には,新開発のDDモーター用ワンチップIC,AN640を使用し、全波両方向駆動により効
率を高めていました。

ターンテーブルは,アルミダイカスト製で,SP-20のものと比べて,直径は30.1cmとわずかに小さいものの
重量は2.9kgと重くなり,慣性質量も360kg・cmと高められたものが搭載されていました。強力なフォノモー
ターは,この重量級のターンテーブルをわずか0.7秒,1/4回転で定速回転に到達させることができるものと
なっていました。こうした構成のターンテーブル部全体で,ワウ・フラッター0.025%(WRMS),SN比60dB
(IEC-179B),回転数偏差±0.002%,針圧300gまで回転変動は0という高性能を実現していました。電子
ブレーキの搭載で,静かでスムーズな停止も実現していました。

この高性能なターンテーブル部を支えるプレーヤーベースは,不要振動をカットするハイマス設計のアルミダイ
キャストのキャビネットと,防振構造をもつ亜鉛ダイキャストによる剛体設計のベースを粘弾性材を介して一体
化した三重構造の複合防振構造としたもので,薄型でコンパクトながら,高い強度と防振性をもつものとなって
いました。

トーンアームは,スタティックバランスのS字形ユニバーサルアームで,亜鉛ダイキャスト製のしっかりとしたアー
ムベースにセットされていました。アームの軸受部分は,同社のアームの最上級機EPA100に似たジンバル型
で,専用ピボットベアリングの使用により,水平・垂直ともに初動感度7mgという高感度が実現されていました。
ヘッドシェルは、オーバーハング調整付の複合防振構造となっていました。

SL-01は,基本的にシンプルなマニュアルプレーヤーで,アームも付属機構としては,アンチスケーティングコ
ントロールとオイルダンプ式のアームリフターのみとなっていました。アーム周りもすっきりとシンプルにまとめら
れており,LED照明で見やすい一条一列シマ目のストロボ,薄型の筐体,ブラック仕上げの外観は,使いやす
く精悍なものとなっていました。

以上のように,SL-01は,ダイレクトドライブ方式のターンテーブル,プレーヤーのオリジネーターであるテクニ
クスが,いくつものDDプレーヤーを開発,商品化してきた経験を生かし,「SL-01」の型番に表現されているよ
うに,再びダイレクトドライブ方式の原点にもどってプレーヤーシステムを見直して,つくり出したともいうべきモデ
ルで,シンプルながら完成度の高い1台でした。それだけに,分かる人には分かるといったモデルで,目立つ存
在にはならなかった隠れた名機だと思っています。


Technics SP-20
DIRECT DRIVE TURNTABLE ¥60,000

SL-01のターンテーブル部のベースとなったターンテーブルSP-20は,1976年に発売されました。1970年
に世界で初めてダイレクトドライブ方式のターンテーブルSP-10を商品化したテクニクスがクォーツロック化な
どの改良・強化を施し1975年に発売した第2世代モデルSP-10MK2の弟機でした。SP-10MK2の性能を
できるだけ継承しつつコストダウンを図ったターンテーブルで,直径32cm,重量2.5kg、慣性質量345kg・cm2
の重量級ターンテーブルをクォーツ・フェイズドロック方式の新開発全周積分型プッシュプルFGサーボモーター
によってダイレクトにドライブしていました。純電子式ブレーキも装備され,スタート時1/4回転で定速に達すると
ともに,ロジックコントロールでワンタッチで滑らかに停止できるようになっていました。負荷変動は1・5kg・cmの
制動トルクに対して変化が生じないということで,針圧2gで150本のアームを同時に使っても速度変化がないと
いう性能を確保していました。
外観上は,SP-10MK2とサイズ等共通のものとなっており,同一のプレーヤーベースが使えるようになってい
ましたが,色は黒い特殊な熱処理によるリンクル塗装(表面にわざと細かいシワを生じさせて仕上げをおこなう
結晶塗装)で仕上げられていました。


以下に,当時のカタログの一部をご紹介します。




SL-01は,SP-10MKⅡの開発ノウハウを
つぎ込んで完成したクォーツ・フェイズロックド
・コントロールDDプレーヤシステムです。

◎回転数偏差±0.002%,回転精度が飛躍的に向上
 した水晶発振器を基準信号とした位相制御方式を採用。
◎2.9kgのターンテーブル(慣性質量360kg・cm)を90°
 (1/4回転)で定速回転にする高トルクモータです。
◎強力な制御回路と大きな駆動トルクにより300gの針圧
 に対しても,回転速度は変化しません。
◎SN比60dB(IEC-179B),ワウ・フラッタ0.025%
 (W.R.M.S.)という高性能を実現しています。




●SL-01主な定格●

ターンテーブル 30.1cmアルミダイカスト,自重2.9kg,慣性質量360kg・cm2
モータ クォーツフェイズドロックコントロールブラシレスDCモータ
回転数 331/3および45r.p.m.
ワウ・フラッタ 0.025%(JISC5521)W.R.M.S.
SN比 60dB(IEC-B),73dB(DIN45539B)
起動トルク 1.5kg・cm 
起動時間  0.7秒(90°)以内(331/3r.p.m. )
ブレーキ  純電子式ブレーキによる滑らかな停止 
負荷変動  1.5kg・cm以内0% 
回転数偏差  ±0.002%以内 
トーンアーム ユニバーサルS字形トーンアーム,スタティックバランス形
アンチスケーティングフォースコントロール装置つき
オイルダンプ式キューイングつき
針圧調整範囲 0~3g
適合カートリッジ重量 5.5~10g
9~13g(補助ウェイト使用時)
シェル重量  9.5g 
消費電力 4W
外形寸法 429W×99H×368.5Dmm 
重量 8.0kg 




●SP-20主な定格●

ターンテーブル 32cmアルミダイカスト,自重2.5kg,慣性質量345kg・cm2
モータ  クォーツフェイズドロックコントロールブラシレスDCモータ 
回転数 331/3および45r.p.m.
ワウ・フラッタ  0.025%(JIS C5521)W.R.M.S. 
SN比 60dB(IEC-17B),73dB(DIN45539B) 
起動トルク 1.5kg・cm
起動時間 0.7秒(90°)以内(331/3rpm時)
ブレーキ  純電子式ブレーキによる滑らかな停止 
負荷変動 1.5kg・cm以内0%
回転数偏差 ±0.002%以内
消費電力 4W
外形寸法 幅368.5×奥行368.5×高さ99mm
重量 8.0kg
※ 本ページに掲載したSL-01,SP-20の写真・仕様表等は1976年
 12月のTechnicsのカタログより抜粋したもので,パナソニック株式
 会社に著作権があります。したがって,これらの写真等を無断で転載
 引用等をすることは法律で禁じられていますので,ご注意ください。

 
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