スピーカーのコーナー
PART11
  国産スピーカーは個性がないとよく言われますが,
どうしてなかなか個性的な音を聴かせてくれたり,
個性的なスタイルをしていたり,思いっきり贅沢に
作られていたり,先端技術を取り入れていたり・・と,
かつての名機・銘機たちはとても印象的でした。
機種が多くなったので,ついに11ページ目に入りま
す。


DIATONE 2S-3003

1990年に,ダイヤトーン(三菱電機)が発売したスピーカーシステム。
三菱電機は,1958年にNHKとの共同開発で放送局用モニタース
ピーカーの名器2S-305を発売し,そのすぐれた性能で高い評価を
受け,ロングセラーモデルとなりました。その後継機として登場した新
世代のモニタースピーカーが2S-3003でした。


CORAL BL-20D

1971年に,コーラルが発売したスピーカーシステム。コーラルは,1946
年に創業したブランドで,コーン紙,スピーカーユニット製造から始まってい
ました。自作派のユーザーなどからは,ユニットメーカーとして高い支持を
得ていました。そんなコーラルが,自社製の人気ユニットBETA-8を使っ
て作り上げたバックロードホーンスピーカーシステムがBL-20Dでした。


PIONEER CS-616

1976年に,パイオニアが発売したスピーカーシステム。パイオニアは,ス
ピーカーのメーカーとして発足したブランドで,戦後も日本を代表するスピー
カーユニットのブランドの一つとして知られていました。そして,スピーカーシ
ステムにおいても,すぐれた技術を見せていました。そうした中,元JBLの
技術担当副社長・バート・ローカンシー氏を技術顧問に迎え,海外でも評価
されるスピーカーを開発しようとするプロジェクトの中,HPM-100を発売し,
高い評価を受けました。そして,その弟機的スピーカーとして発売されたの
がCS-616でした。


Technics SB-3

1979年に,テクニクス(現パナソニック)が発売したスピーカーシステム。テ
クニクスは,位相の問題に早くから取り組み,「リニアフェイズ」の名称で商品
化し,そうした流れの中で,平面振動板搭載のシステムを開発していきました。
その原器ともいえるSB-10の末弟として発売された小型スピーカーシステム
がSB-3でした。


DIATONE DS-73D

1982年に,ダイヤトーン(三菱電機)が発売したスピーカーシステム。1980年代
に入り,各社ともスピーカーの分野では,5~6万円のクラスに力の入ったモデル
を投入するようになり,売れ筋価格帯になっていきました。これが後の598戦争
へとつながっていくことになりました。そして,この598戦争前夜ともいえるこの時
期に,598クラスに投入されたのがDS-73Dでした。


SANSUI J33

1978年に,サンスイが発売したスピーカーシステム。サンスイは,アンプのイメー
ジが強いブランドですが,JBLの代理店であったサンスイは,スピーカーシステムで
も高い評価を受けていました。そんなサンスイが,インテリアに溶け込む形で使いや
すい小型のスピーカーシステムとして発売した「J」の型番を持つスピーカーシステム
がJ33でした。


CORAL DX-5

1984年に,コーラルが発売したスピーカーシステム。コーラルは,スピーカーメー
カーとして,そのユニットは自作派に人気がありましたが,1970年代頃からスピー
カーシステムにおいても,すぐれたモデルを発売していました。1980年には,ハー
ドドームユニットをはじめとする強力なユニットを搭載したコストパフォーマンスにす
ぐれたモデルを発売していました。そんなコーラルは,1983年にDX-7を発売し,
その弟機として発売されたのがDX-5でした。


KENWOOD LS-880A

1984年に,ケンウッド(現JVCケンウッド)が発売したスピーカーシステム。1980
年代に入り,国内の各オーディオブランドは,物理特性を追求し,物量を投入したコ
ストパフォーマンスの高いスピーカーシステムを次々投入し,競争が激化していまし
た。こうした中,「598戦争」といわれる激しい競争に参戦したケンウッドが投入した
LS-990Aは高い評価を得ていました。そして,その弟機として発売されたのが
LS-880Aでした。


PIONEER CS-655

1976年に,パイオニアが発売したスピーカーシステム。CS-655,CS-755
CS-955といった型番の末尾に55番が付く「55シリーズ」ともいえるシリーズ
の末弟にあたる機種でした。中高域ユニットにカーボンやチタンなどの新素材
を積極的に導入し,ワイドレンジ化を図った,より新しい方向性をめざした設計
が採用されていました。


ONKYO QuartLam-Ⅲ

オンキヨーが,1975年に発売したスピーカーシステム。オンキヨーは,スピー
カーでメジャーなブランドとして,様々な形のスピーカーシステムを発売しホーン
型スピーカーにも継続して取り組んでいるメーカーでした。そうしたオンキヨーが
バックロードホーンに近い形のQL方式という独自の形式で発売したスピーカー
システムがQuartLam-Ⅲでした。


DENON SC-101

1979年に,デンオン(現D&Mホールディングス)が発売したスピーカーシステム。
デンオンは,スピーカーではブランドイメージがどちらかというと弱いながら,海外
のメーカーと協力したり,しっかりとした業務用のスピーカーも作るなど,オーソドッ
クスながらいいスピーカーを作っていました。そうしたデンオンが,本格的な小型ス
ピーカーとして発売したのがSC-101でした。


YAMAHA NS-L325

1977年に,ヤマハが発売したスピーカーシステム。ヤマハは,1976年に,CA-1000
シリーズの3世代目のCA-1000Ⅲを発売し,このモデルをトップとした製品群を「ソフィ
ストケイテッド・シリーズ」と称し,上品な音とイメージで高い評価を得ていました。それに
対応したスピーカーシステムの1つとして「Listening Reference Sophisticated」と
称して発売されたのが,型番にLが入ったNS-L325でした。


PIONEER S-77TWIN

1988年に,パイオニアが発売したスピーカーシステム。S-55TWINに始まった「バー
チカル・ツイン方式」のスピーカーシステムで,S-33TWIN,S-55TWIN,S-99TWIN
といった「バーチカル・ツイン方式」の「S-2桁TWIN」の型番のシリーズの中の中級機に
あたるモデルでした。


SANSUI XL-700C

1984年に,サンスイが発売したスピーカーシステム。前年の1983年に発売された
XL-900Cの弟機として発売されたスピーカーシステムで,上級機同様に,各ユニット
に当時の最新の素材や技術を積極的に導入したスピーカーシステムでした。


Technics SB-MX5

1986年に,テクニクス(現パナソニック)が発売したスピーカーシステム。1985年頃
まで平面型ユニットを搭載したスピーカーを主力に据えていたテクニクスが,1986年
頃よりオーソドックスなタイプのスピーカーに戻り始め,自社開発のコーン型ユニット,
平面型ユニットを搭載した「SB-MXシリーズ」を発売していきました。その第一弾とし
て,シリーズの最上級機SB-MX10とともに登場したのがSB-MX5でした。


SANSUI SP-L250

1977年に,サンスイが発売したスピーカーシステム。サンスイは,アンプのブランド
イメージが強いですが,JBLの総代理店をしていたこともあり,1970年代頃までは
スピーカーにおいても強いブランドでした。当時,JBLのユニットを使ったMONITOR
シリーズ,大型のフロア型のGシリーズ,小型のLMシリーズなどがあり,その中間の
競合機種の多い売れ筋価格帯に投入された2ウェイスピーカーの「SP-Lシリーズ」の
最上位機種がSP-L250でした。


PIONEER S-170

1981年に,パイオニアが発売したスピーカーシステム。パイオニアは,1978年
に発売したS-180で高い評価を受け,1980年には,後継機としてS-180A
発売し,その鳴りっぷりの良さから人気モデルとなりました。翌年,その弟機として
発売されたのがS-170でした。


Tchnics SB-M500

1996年に,テクニクス(現パナソニック)が発売したスピーカーシステム。テ
クニクスブランドは総合電機メーカーである松下電器が,1965年に,小さ
な組織で高級スピーカーを作ろうという発想の元でスタートしたブランドで,
数多くの画期的な製品を展開していきました。そうした歴史を受け,広帯域
再生をめざした「SB-Mシリーズ」として,大型スピーカーSB-M10000
そして小型スピーカーSB-M300を発売し,第3弾としてSB-M1000とと
もに発売されたのがSB-M500でした。


ONKYO M90

1980年に,オンキヨーが発売したスピーカーシステム。オンキヨーは,
前年の1979年,当時10万円クラスの王者として君臨していたヤマハ
NS-1000Mに対抗すべく,ユニット等にしっかりとコストと技術を投
入したMonitor100を発売し,その弟機として発売されたのがM90で
した。


DENON SC-304

1980年に,デンオン(現D&Mホールディングス)が発売したスピーカー
システム。デンオンはスピーカーではブランドイメージがどちらかというと
弱いものの,オーソドックスでいいスピーカーを作っていました。SC-304
は,1975年に発売されたSC-104,そして,1978年にその改良型とし
て発売されたSC-104Ⅱをベースに,デザイン,内容等を1980年代に
デジタルオーディオ時代に向けて開発・発売されたスピーカーシステムで
した。

※ここに掲載された写真は,各製品のカタログからの
抜粋で,その版権・著作権等は,各オーディオメーカー
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