PART6
Accuphase T-103
1979年に,ケンソニック(現アキュフェーズ)が発売したFM専用チューナー。
前年に発売されたアキュフェーズブランドで初のシンセサイザーチューナー
T-104の弟機で,すぐれた性能と音質を実現した高級チューナーとして高い
完成度を実現していました。
TRIO KT-7500
1975年に,トリオ(現JVCケンウッド)が発売したFM/AMチューナー。
前年まで,プリメインアンプ同様にKT-*00*という型番のどちらかと
いうと落ち着いたデザインのチューナーを出していたトリオが,この年よ
り大きくイメージを変え,精悍なシャープなデザインのチューナーを出し
始めた中の1台で,この年に出された,KT-5500,KT-3300の長兄
にあたる機種でした。
PIONEER F-500
1979年に,パイオニアが発売したFM/AMチューナー。パイオニア
は,早くからすぐれたチューナーを作っていました。そして,あまり知ら
れていませんが,トリオのチューナーのイメージが強い「パルスカウ
ント方式」の検波回路を採用したチューナー・F-700を発売し,すぐ
れた技術を示していました。F-500は,そうしたF-700の弟機として
発売された中級クラスのチューナーでした。
Aurex ST-420
1976年に,オーレックス(東芝)が発売したFM/AMチューナー。東
芝は,1973年に,オーディオブランドとしてオーレックスを立ち上げ,
オーディオ業界に本格参入し,1974年には,国産初のシンセサイ
ザーチューナーST-910を発売し,高い技術力を示していました。
そんなオーレックスが中級機として発売したチューナーがST-420
でした。
Nakamichi 430
1976年に,ナカミチが発売したFMチューナー。当時ナカミチは,
テープデッキで有名なブランドでしたが,このころ,カセットデッキ
ナカミチ600を核として,スラントデザインが共通した,システム
化されたオーディオ機器群を「600シリーズ」として展開していま
した。そして,その弟機として,よりオーソドックスなスタイルの
「400シリーズ」を発売しました。この「400シリーズ」のチューナー
として発売されたのが430でした。
ALPINE/LUXMAN T-117
アルプス電気とラックスが立ち上げたニューブランドALPINE/LUXMAN
が,1987年に発売したチューナー。ALPINE/LUXMANブランドは,
1984年に発足し,プリメインアンプをはじめ,意欲的な製品を送り出し,
CDプレーヤー,DATデッキ,カセットデッキ,さらにスピーカーに至る多
くのジャンルの製品群を発売しました。そして,チューナーにもいくつか
の製品を発売し,その中の最上級機がT-117でした。
DENON TU-500
1974年に,デンオン(現デノン)が発売したFMステレオチューナー。FM
専用機として作られた,当時のデンオンのチューナーの最上級機で,同社
のプリメインアンプPMA-500やPMA-700とのペアを想定され,サイズ
やデザイン的にも統一感がある重厚さも感じさせる落ち着いたスタイルの
チューナーでした。
SONY ST-4950
1975年に,ソニーが発売したFM/AMチューナー。ソニーはトランジ
スターラジオ,通信型受信機等,高周波技術,半導体技術にすぐれた
ものを持ち,ハイファイチューナーにおいてもすぐれた技術を生かし,
高い評価を受けていました。そうした技術をES-Ⅱシリーズのチューナー
にも生かし,1975年にはST-5950を発売し,それに次ぐ弟機として
発売されたのがST-4950でした。
LUXMAN T-12
1977年に,ラックスが発売したFM専用チューナー。セパレートア
ンプのC-12,M-12とのペアを想定された「12シリーズ」のチュー
ナーで,薄型のシンプルなデザインのチューナーですが,凝った内
容を持つ高級チューナーでした。
PIONEER F-777
1992年に,パイオニアが発売したFM/AMチューナー。パイオニア
は,1970年代より,性能がよく実用的なチューナーを作り続けてき
たブランドで,パルスカウント検波のバリコン式チューナーF-700や
D.D.デコーダーのF-120など印象に残る優れたチューナーも数々
あります。そして,F-120の流れを汲むシンセサイザーチューナーと
して,前モデルF-757をベースに開発されたチューナーがF-777でした。
ALPINE/LUXMAN T-105
アルプス電気とラックスが立ち上げたニューブランドALPINE/LUXMAN
が,1986年に発売したチューナー。ALPINE/LUXMANブランドは,
1984年に発足し,意欲的な製品を送り出し,多くのジャンルの製品群
を発売しました。チューナーにも複数の製品を発売し,その中の最初の
モデルで,エントリーモデルがT-105でした。
DIATONE DA-F650
1974年に,ダイヤトーン(三菱電機)が発売したFM/AMチューナー。
ダイヤトーンはスピーカーのブランドというイメージが強く,他のコン
ポーネントの分野でのイメージは強くありませんが,1970年代には,
アンプチューナー,テープデッキ,アナログプレーヤーなど,総合オー
ディオブランドとして製品群を展開していました。そうした中,当時の
チューナーの主力機であったのがDA-F650でした。
TRIO KT-7000
1968年に,トリオ(現JVCケンウッド)が発売したAM/FMチュー
ナー。トリオは,1957年に,国産初のFMチューナーFM-100を
発売するなど,チューナーにおいても最も先進的なブランドでした。
こうしたトリオが,日本でのNHK-FM本放送の前年に発売した最
高級FMステレオチューナーがKT-7000でした。
SONY ST-JX5
1981年に,ソニーが発売したFM/AMチューナー。ソニー
は1978年に高級チューナーST-J88を発売し,それ以来
クォーツロック・シンセサイザーチューナーの名称で,シンセ
サイザーチューナーを発売し,高い技術を示していました。
そして,1980年に,技術的により高められ,受信性能と音
質のより高度なバランスを実現したST-J75を発売し,高
い評価を受けました。そして,ST-J75の設計思想や技術
を継承して発売されたのがST-JX5でした。
YAMAHA T-3
1978年に,ヤマハが発売したFM専用チューナー。「CT-」
という型番から「T-1桁」という型番に移行した新シリーズの
チューナーの2号機で,同じく「A-1桁」シリーズに移行した
プリメインアンプA-3とのペアとなるチューナーでした。
Technics 75T(ST-8075)
1977年に,テクニクス(現パナソニック)が発売したFM/AM
チューナー。80A(ST-8080)の弟機で,プリメインアンプ75A
(SU-8075)とのペアを想定したチューナーでした。上級機同
様に理詰めで性能を追求したテクニクスらしい1台でした。
PIONEER F-005
1977年に,パイオニアが発売したFM専用チューナー。パ
イオニアは,プリメインアンプ「A-00シリーズ」のペアを想定
したチューナー「F-00シリーズ」としてF-007,F-005,
F-003を発売しました。その中で最上級機F-007の弟機
にあたる機種がF-005でした。
TRIO KT-5500
1975年に,トリオ(現JVCケンウッド)が発売したFMチュー
ナー。トリオは,1976年には,世界に先駆けて「パルスカウ
ント方式」のチューナーKT-9700を発売するなど,パルス
カウントチューナーのイメージも強いですが,当時,非パル
スカウントチューナーにおいても,KT-7700などすぐれた製
品を出し,その弟機と考えられるKT-5500は,エントリーク
ラスのモデルながら,トリオらしいしっかりした内容をもつFM
専用チューナーでした。
OPTONICA ST-2500
1975年にオプトニカ(シャープ)が発売したFM/AMチューナー。
家電メーカーであったシャープは,1974年頃よりOPTONICA
(オプトニカ)ブランドで力の入ったオーディオ機器を発売していき
ました。そうしたオプトニカブランド初期のプリメインアンプのエン
トリークラスの主力機SM-2500とのペアを想定されたチュー
ナーがST-2500でした。
Technics ST-G88V
1986年に,テクニクス(現パナソニック)が発売したFM/AM/TV
チューナー。テクニクスは,バリコンチューナーの時代からチュー
ナーの分野でもすぐれた性能の製品を作っていましたが,シンセサ
イザーチューナーが主流になった1980年代に入り,薄型のスマー
トなチューナーを次々製品化していきました。そうした中,1983年
に,多くの新技術を投入したST-G7を発売し,高い評価を受け,
ST-G6T,ST-G5などの「ST-G・1桁ナンバー」のシリーズが展開
していきました。そして,このシリーズは,1986年頃から「ST-G・2
桁ナンバー」のシリーズへと移行していき,その中の最上級機として
登場したのがST-G88Vでした。
※ここに掲載された写真は,各製品のカタログからの抜粋で,
その版権・著作権等は,各オーディオメーカーにあります。
したがって,これらの写真を無断で転載等することは,法律
で禁じられている行為ですのでご注意ください。
現在もご使用中の方,また,かつて使っていた方。あるいは,思い出や印象
のある方,そのほか,ご意見ご感想などをお寄せください。