チューナーのコーナー
PART7


 FM放送は数多くの専門誌があったほど人気のある
ソースでした。そのため,数多くの個性あふれるチュー
ナーの名機たちが存在していました。そんな名機・銘
機たちについて振り返ってみましょう。取り上げる機種
数が多くなったため。7ページ目に入ります。




SANSUI TU-707

1977年に,サンスイが発売したFM/AMチューナー。サンスイはプリメ
インアンプの分野ですぐれた製品を送り出してきたブランドでしたが,ア
ンプとペアを組むチューナーにおいてもオーソドックスながらすぐれた製
品を送り出してきました。そんなサンスイが,前年に発売したAU-707
AU-607とのペアを想定して作り上げたチューナーがTU-707でした。


NIKKO T-800

1975年に,ニッコーが発売したAM/FMチューナー。ニッ
コーは,1962年に,日本初のオールトランジスタステレオ
アンプをオーディオフェアで発売するなど,すぐれたオーディ
オ機器を発売していました。そんなニッコーが,性能対価格
比でもっとも激戦区といわれる価格帯に,プリメインアンプ
A-800とともに発売したチューナーがT-800でした。


KENWOOD KT-1010F

1985年に,ケンウッド(現JVCケンウッド)が発売したFM/AM
チューナー。FMチューナーで高い評価を受けていたケンウッド
は,シンセサイザーチューナーの発売においてはむしろ慎重で,
後発でした。そうした中,1983年にシンセサイザー方式のチュ
ーナー・KT-1010を発売して新たにDLLD方式を採用し,パル
スカウント方式からの移行を始めました。そんなKT-1010と
KT-1010Ⅱの後継機がKT-1010Fでした。


ONKYO T-455NⅡ

1975年に,オンキョーが発売したFM/AMチューナー。当時,オ
ンキョーは,プリメインアンプとペアを想定したチューナーにおいて
も,しっかりしたモデルを作っていました。1974年に発売された同
社の最高級チューナーT-411の技術を継承しつつ作り上げられ
た高級チューナーがT-455NⅡでした。


LUXMAN 5T10

1978年に,ラックスが発売したFMチューナー。ラックスは,1977年
より,機能単位で性能を追求したコンポーネント「LABORATORY 
REFERENCE(ラボラトリー・リファレンス)シリーズ」を発売し,チュー
ナーとして,最高級シンセサイザーチューナー5T50を発売しました。
その弟機ともいえるバリコン式チューナーが5T10でした。


Technics ST-9031T

1978年に,テクニクス(松下電器=現パナソニック)が発売した
FM/AMチューナー。エントリークラスの薄型のセパレートアンプ
SU-9011A,SE-9021Aとの純正組み合わせを想定された薄
型のチューナーで,手ごろな価格のエントリークラスのチューナー
ながら,しっかりした内容を持つチューナーでした。


SONY ST-J60

1978年に,ソニーが発売したFM/AMチューナー。ソニーは,
この年,「クリスタルロック・デジタルシンセサイザー・チューナー」
の名称で,同社初のシンセサイザーチューナーとしてST-J88
発売し,すぐれた性能を実現していました。その弟機として,より
普及価格帯に近い価格で発売されたのがST-J60でした。


PIONEER TX-810

1972年に,パイオニアが発売したFM/AMチューナー。パイオ
ニアは,この当時,「NEW UAシリーズ」として,SA-910をトッ
プとする一連のプリメインアンプを発売し,さらに,「NEW UAシ
リーズ」とペアとなるチューナーを発売しました。その中で,中間
の売れ筋価格帯に位置するモデルがTX-810でした。


TRIO KT-8100

1978年に,トリオ(現JVCケンウッド)が発売したチューナー。
1976年に,世界に先駆けてパルスカウント方式を搭載した
KT-9700を発売したトリオは,1978年に,このパルスカウ
ント方式をIC化するなど,内部構成をより合理化したKT-8300
を発売しました。その弟機として発売されたのがKT-8100で
した。


Victor T-X500

1984年に,ビクター(現JVCケンウッド)が発売したFM/AM
チューナー。国内ではいち早くシンセサイザーチューナーを発
売し,優れた技術を持っていビクターが1983年に,A-X1000
A-X900などのプリメインアンプとのペアを想定して発売した
T-X900
の弟機として発売したのがT-X500でした。


OPTONICA ST-3000

1974年にオプトニカ(シャープ)が発売したFM/AMチューナー。
家電メーカーであったシャープは,1974年頃よりOPTONICA
(オプトニカ)ブランドで力の入ったオーディオ機器を発売していき
ました。そうしたオプトニカブランド初期のプリメインアンプの主力
SM-3000とのペアを想定されたチューナーがST-3000で
した。


KENWOOD KT-V990

1987年に,ケンウッド(現JVCケンウッド)が発売したFM/AM/
TVチューナー。ケンウッドはトリオの時代からFMチューナーに高
い技術を持っており,高い評価を受けていました。そんなケンウッ
ドも,シンセサイザーチューナーの発売においてはむしろ慎重で,
後発でしたが,1983年にシンセサイザー方式のチューナーとして
KT-1010を発売して新たにDLLD方式を採用し,パルスカウント
方式からの移行を始めました。その後KT-1010Ⅱ,KT-1010F
を発売し,その後継機として発売されたのがKT-V990でした。


ONKYO T-427R

ンキヨーが発売したFM/AMチューナー。オンキヨーは,スピーカー
アンプなどに強いブランドでしたが,チューナーの分野でも,オーソ
ドックスながらしっかりしたチューナーを作っていました。1980年代
に入ると,チューナーはシンセサイザー方式が主流となり,オンキ
ヨーも,T-429RとT-427Rが本格的なバリコン式チューナーとし
ては最後のモデルとなりました。


PIONEER F-580

1981年に,パイオニアが発売したFM/AMチューナー。パイオニア
はこの年,A-980を筆頭として,中央に表示部をまとめたツートンカ
ラーの新しいデザインのシリーズのプリメインアンプを発売し,通産省
のグッドデザイン選定商品にも選ばれました。そして,こうしたデザイ
ンとのペアを想定した新しいデザインのチューナーとしてF-780,そ
して,弟機としてF-580を発売しました。


Victor T-X5

1979年に,ビクター(現JVCケンウッド)が発売したFM/AMチュー
ナー。ビクターは,バリコン式チューナーの時代から,自社のアンプと
のペアを想定したオーソドックスで使いやすいチューナーを作り,派手
ではないもののすぐれた技術をもつブランドでした。そんなビクターが,
1980年代に向けて,自社のシンプルなデザインのアンプとのペアを
想定し,薄型のすっきりとした筐体に納められたチューナーがT-X5
でした。


SANSUI TU-D607

1978年に,サンスイが発売したFM/AMチューナー。サンスイは,
1976年より新たにプリメインアンプにおいて「07シリーズ」を展開
し,1978年には「907シリーズ」を発売し,ペアとなるチューナーと
してTU-D607を発売し,翌年には,上級機TU-D707を発売しま
した。


TRIO KT-770

1983年に,トリオ(現JVCケンウッド)が発売したFM/AMチュー
ナー。通信機メーカーでもあったトリオは,FMチューナーに高い技
術を持っており,高い評価を受けていました。しかし,シンセサイザー
チューナーの発売においてはむしろトリオは慎重で,後発となって
いました。そうした中,1983年にシンセサイザー方式のチューナー
KT-1010とKT-770を発売し,検波段に新たにDLLD方式を採
用するなど,トリオ伝統のパルスカウント方式からの移行を始める
きっかけになりました。


SONY ST-3950

1975年に,ソニーが発売したFM/AMチューナー。ソニーはトラ
ンジスターラジオ,通信型受信機等,高周波技術,半導体技術に
すぐれたものを持ち,ハイファイチューナーにおいてもすぐれた技
術を生かしたST-5000(1967年),ST-5000F(1969年)な
どで高い評価を受けていました。そうした技術を「ES-Ⅱシリーズ」
のチューナーにも生かし,1975年にはST-5950を発売し,そ
の弟機としてST-4950,さらに,本機・ST-3950を発売しまし
た。


KENWOOD KT-880

1984年に,ケンウッド(現JVCケンウッド)が発売したFM/AM
シンセサイザーチューナー。ケンウッドは,シンセサイザーチュー
ナーの発売においてはむしろ慎重で,後発となっていました。そう
した中,1983年にシンセサイザー方式のチューナー・KT-1010
を発売して新たにDLLD方式を採用し,パルスカウント方式から
の移行を始めました。そんなKT-1010,KT-1010Ⅱの弟機とし
て発売されたのがKT-880でした。


SONY ST-A40

1979年に,ソニーが発売したFM/AMチューナー。ソニーは,ト
ランジスタラジオで一世を風靡したように,もともとラジオ受信機に
関してすぐれた技術を持っているブランドで,オーディオメーカーと
してもすぐれたチューナーを作り,1970年代には,バリコン式の
チューナーで実力を発揮していました。そうしたソニーが,シンセ
サイザーチューナーへと移行していく1980年代直前に発売した,
同社のチューナーの中でのエントリークラスの主力機がST-A40
でした。

※ここに掲載された写真は,各製品のカタログからの抜粋で,
 その版権・著作権等は,各オーディオメーカーにあります。
 したがって,これらの写真を無断で転載等することは,法律
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