V-1RXの写真
TEAC V-1RX
STEREO CASSETTE DECK ¥99,800

1981年に,ティアックが発売したカセットデッキ。ティアックはテープデッキに早くからNR(ノイズ・リダク
ション)システムとしてdbxを採用してきたブランドでした。1975年には,民生用オープンリールデッキと
して初のdbx搭載機A-7400RXを発売し,1976年には,輸出向けながらカセットデッキにもdbxを初
搭載するなど,強力型NR・dbxに先鞭をつけてきました。
カセットデッキでは,C-1,C-2,C-3,C-3RXなど,dbx搭載モデルをはじめ,ハードなデザインと操作
感をもったモデルを多く発売し,またそれがティアックのデッキのイメージを作っていました。しかし,この
V-1RXでは,デザインも,操作感もよりソフィストケーとされた方向に転換し,イメージを大きく変えてい
ました。

V-1RXの最大の特徴は,NRシステムとしてdbxを搭載していたことでした。dbxは,アメリカのdbx社が
開発したもので,もともとレコーディングスタジオ用装置として開発されたプロ規格のNRシステムでした。
入力された音のレベルをdB(デシベル)で直線的に1/2に圧縮して録音し,再生時に2倍に伸張する
ことで,圧倒的なダイナミックレンジ(110dB以上)が確保されるというもので従来多くのデッキに搭載さ
れていたドルビーNR(Bタイプ)に比較して,非常に効果の大きなものでした。そして,この頃よりAABC
DD(adres,ANRS,DOLBY-B,DOLBY-C,dbx,superD・・・)と称された,様々なNRの規格の成
立と競争が起こっていきました。また,NRシステムとして当時標準的なものとなっていたDOLBY(B)も
搭載されていました。

走行系は,キャプスタン用,リール用,メカ駆動用それぞれに専用のモーターを搭載した3モーター型で
キャプスタン専用にはDCサーボモーターによるDD(ダイレクト・ドライブ)方式が採用され,それまでの
Cシリーズを超える0.025%という低ワウ・フラッターを実現していました。キャプスタンはシングルキャ
プスタンで,オーソドックスなワンウェイデッキとしての走行系をもっていました。
また,メカ駆動を従来のプランジャー方式からモーター駆動方式に転換したことにより,ハードなイメージ
の操作感が,静かでソフトな操作感に大きく変化していました。ティアックは,この新しいメカニズムを3
モーター・3S(ソフト・スムーズ・サイレント)メカニズムと称していました。

DDモーター録再コンビネーションヘッド

ヘッドは,録音・再生ヘッドが独立したコンビネーション型3ヘッドで,すぐれた音質と録音・再生同時モニター
そして安定したヘッドタッチが確保されていました。録音ヘッド,再生ヘッドは性能の安定した硬質パーマロイ
ヘッドが採用されていました。また,ヘッドに接続されたプリアンプは,dbxの広いダイナミックレンジに対応し
て高ヘッドルームプリアンプが採用されていました。

機能的にはオーソドックスなデッキでしたが,デザインイメージの変化と同様に,それまでのCシリーズに対し
て新しさを感じさせる操作系・表示系になっていました。レベルメーターは,針式のアナログメーターが縦向き
に搭載され,ドライブ能力も高められて,−30dB〜+10dBのワイドレンジで見やすいピークメーターになっ
ていました。テープカウンターは,マイナス表示も可能なLEDによる4桁電子表示カウンターが搭載されてい
ました。テープカウンターを利用したメモリーストップ機構,ブロックリピート機構も装備されていました。録音
ボリュームはバランスツマミを備えたマスターボリュームタイプで,フェードイン,フェードアウトがしやすくなっ
ていました。入力は,LINE以外に前面にMIC入力が装備され,スイッチで入力を切り換えるようになってい
ました。テープポジションは,NORMAL,Co(CrO2) に加え,METALの3ポジションで,±20%のバイアス
調整ツマミも装備されていました。

以上のように,V-1RXは,ティアックのデッキとして新しい方向性を示そうとした意欲作で,V-3RX,V-5RX
といったシリーズ機も発売されました。残念ながら目立つ存在にはなりませんでしたが,機能的にも使い易く
音質もしっかりしたデッキでした。

V-3RXの写真
TEAC V-3RX
STEREO CASSETTE DECK ¥79,800

V-5RXの写真
TEAC V-5RX
STEREO CASSETTE DECK ¥69,800


以下に,当時のカタログの一部をご紹介します。



音とは何か,操作性とは何か。
この新しいフェイスのなかに,
ティアックからの答えがある。
新録音・再生ヘッド,dbxシステム搭載,
DCサーボDDモーター採用。
これが,これからのカセットライフをリードする
V-1RX最新メカニズム。


◎dbx搭載,高ヘッドルームプリアンプ採用
◎本格的3ヘッドシステム採用
◎DCサーボDDモーター,ワウフラ0.025%

●聴きたい部分を何度でも繰り返せるブロックリピート機構。
●曲の頭出しに便利なメモリーストップ機構。
●明るく見やすいグリーンの4桁電子表示
  LEDカウンター(マイナス表示可能)。
●ドライブ能力を向上させた 本格的ピークメーター
  (−30dB〜+10dB)。スケール照明にエッジライト方式を採用。
●自分でバイアスの微調整ができる
  バイアス切換えスイッチ(±20%)。
●フェードイン,フェードアウトができる
  マスターボリュームタイプの入力ボリューム。
●CMカットなどのためのREC MUTE機構。
●留守録音,目覚し再生のためのタイマースタンバイ機構。
●ヘッドホンモニターに威力を発揮。
  使いやすいOUTPUTボリューム



●主な仕様●

 
V-1RX
V-3RX
V-5RX
トラック形式
4トラック・2チャンネル
4トラック・2チャンネル 4トラック・2チャンネル
ヘッド構成



使用カセットテープ
C-30〜C-90
C-30〜C-90 C-30〜C-90
テープ速度
4.8センチ
4.8センチ 4.8センチ
モーター構成
DD(ダイレクトドライブ)
電子制御DCモーター
(キャプスタン用)×1
DCモーター(リール用)×1
DCモーター(メカニズム用)×1
電子制御DCモーター
(キャプスタン用)×1
DCモーター(リール用)×1
DCモーター(メカニズム用)×1
電子制御DCモーター
(キャプスタン用)×1
DCモーター(リール用)×1
DCモーター(メカニズム用)×1
駆動方式
シングルキャプスタン
シングルキャプスタン シングルキャプスタン
ワウ・フラッター
(WRMS)
0.025%
0.03%
0.03%
早巻時間
(C-60テープ)
90秒以内
90秒以内 90秒以内
総合周波数特性
(メタルテープ)
20〜20,000Hz 20〜20,000Hz 20〜20,000Hz
総合SN比
(3%THDレベル,WTD)
60dB(NR OUT)
70dB
(ドルビーNR IN:5kHz以上)
92dB(dbx IN)
60dB(NR OUT)
70dB
(ドルビーNR IN:5kHz以上)
92dB(dbx IN)
59dB(NR OUT)
69dB
(ドルビーNR IN:5kHz以上)
91dB(dbx IN)
ダイナミックレンジ
(dbx IN:1kHzピークレベル)
110dB

110dB 110dB
入力
マイク:0.25mV/−72dB
(適合インピーダンス200Ω以上)
ライン:60mV
(入力インピーダンス50kΩ)
マイク:0.25mV/−72dB
(適合インピーダンス200Ω以上)
ライン:60mV
(入力インピーダンス50kΩ)
マイク:0.25mV/−72dB
(適合インピーダンス200Ω以上)
ライン:60mV
(入力インピーダンス50kΩ)
出力
ライン:0.3V
(負荷インピーダンス50kΩ以上)
ヘッドホン:8Ω
ライン:0.3V
(負荷インピーダンス50kΩ以上)
ヘッドホン:8Ω
ライン:0.3V
(負荷インピーダンス50kΩ以上)
ヘッドホン:8Ω
電源
100V AC 50/60Hz,21W 
100V AC 50/60Hz,14W 100V AC 50/60Hz,12W
外形寸法
436W×112H×261Dmm
436W×112H×261Dmm 436W×112H×261Dmm
重量
6kg
6kg 6kg

※本ページに掲載したV-1RX,V-3RX,V-5RXの写真,仕様表等は
 1981年9月,1982年1月のTEACのカタログより抜粋したもので,
 ティアック株式会社に著作権があります。したがって,これらの写真等を
 無断で転載・引用等することは法律で禁じられていますのでご注意くだ
 さい。

     
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