M-06の写真
LUXMAN  M-06
POWER AMPLIFIER ¥330,000

1987年に,ラックスが発売したステレオパワーアンプ。1983年に発売された純A級動作の大型のパワー
アンプM-05の後継機として, M-07とともに発売されたもので,M-05直系の後継機ともいえるM-07に比
べるとダウンサイジングされてはいるものの,A級動作で音質を追求したラックスらしい1台でした。

M-06の最大の特徴は,可変バイアスの高効率型A級ではない,純A級動作のパワーアンプであることでし
た。ラックスは管球アンプで知られていますが,トランジスタアンプにおいては,純A級へのこだわりが最も強
いブランドで,プリメインアンプにおいても,純A級アンプをラインナップし続けていました。前モデルのM-05
においても,バイアス固定の純A級(ラックスは真正A級と称していました。)で105W/chの出力を実現して
いました。しかしそれだけに強力な電源部,放熱部等で総重量は40kgにも達するパワーアンプになっていま
した。上級機のM-07はこれを継承し,より充実させたものとなっていましたが,M-06は,そうしたM-07の
充実した内容をできるだけ損なうことなく使いやすい重量にまとめようとした弟機でした。高効率のヒートパイ
プを使用し,空冷ファンを排した放熱部,効率の良いトロイダル型トランスを使用した電源部などを搭載し,
純A級で55W+55W(8Ω)の出力を実現し,モノラル接続時には220Wのモノラルアンプとしても使用でき
るようになっていました。

M-06の内部パワーブロックとヒートシンク

電源部は,上述のように大型のトロイダル電源トランスを搭載し,さらに,デジタル表示用に別トランスを使
用して,信号系への干渉を厳密に排除していました。2Ωからの低インピーダンス負荷に対応し,安定した
スピーカー駆動能力が確保されていました。

M-06には,デジタル表示のピークパワーメーターが装備され,外観上の特徴になっていました。表示ホー
ルド時間は1/3/5秒の3段階に切り換えられ,表示対応インピーダンスも4/6/8Ωに切り換えが可能とな
っていました。さらに,メーター輝度が,ディマースイッチにより3段階に切り換えられるようになっていました。
また,表示系全体の電源をOFFにして信号系から完全に切り離すこともできるようなっていました。

パーツ等の面でも,PC-OCC(単結晶高純度無酸素銅線)による配線,窒素ガス封入金接点リレー,電源
インピーダンスを低減するバスバー,固定抵抗使用12ポイント高精度アッテネーター,極太ケーブルにも対
応可能な超大型スピーカー端子など,高品質なものが厳選して使用されていました。

以上のように,M-06は,純A級動作のステレオパワーアンプとして,前モデルのM-05や上級機のM-07
に比較して出力は抑えられていましたが,純A級らしい滑らかで艶のある音をもち,しかも使いやすい重量
やサイズにまとめられた完成度の高い1台でした。


以下に,当時のカタログの一部をご紹介します。



音楽に到達したか,
真正ピュアA級の表現力。


◎ピュアA級55W+55W,モノラル時220W。
◎トロイダル電源トランスと表示用独立トランス。
◎瞬時の出力変化を直読できるデジタルメーター。>
◎妥協を排して厳選したパーツ,素材,構造。



●SPECIFICATIONS●

連続実効出力
ステレオ使用時:55W+55W(8Ω,20〜20kHz,A級両ch 同時動作)
モノラル(バランス入力)使用時:220W(8Ω,20〜20kHz)
入力感度
ステレオ使用時:1V/55W
モノラル(バランス入力)使用時:1V/220W
入力インピーダンス
ステレオ使用時:50kΩ(COAXIAL),100kΩ (BALANCE)
モノラル(バランス入力)使用時:100kΩ
入力レベル調整
50kΩ固定抵抗切換式,12ポイントアッテネーター (COAXIAL)
全高調波歪率
ステレオ使用時:0.008%以下(8Ω,両ch同時動作)
モノラル(バランス入力)使用時:0.008%以下(8Ω)
混変調歪率
ステレオ使用時:0.008%以下(8Ω,60Hz:7kHz=4: 1)
モノラル(バランス入力)使用時:0.008%以下(8Ω,60Hz:7kHz=4:1)
周波数特性
ステレオ使用時:5Hz〜300kHz+0,−3dB
モノラル(バランス入力)使用時:5Hz〜300kHz+0,−3dB
SN比
ステレオ使用時:110dB(IHF-A)
モノラル(バランス入力)使用時:110dB(IHF-A)
ダンピングファクター
100(8Ω,50Hz)
付属装置
ピークホールド付デジタルピークパワーメーター(メーターOFFスイッ チ付)
COAXIAL/BALANCE入力切換スイッチ
BTL接続スイッチ,ラインフェーズセンサー
消費電力
300W
電源電圧
AC100V(50/60Hz)
外形寸法
460W×212H×424Dmm
重量
22kg


M-06αの写真
LUXMAN M-06α
POWER AMPLIFIER ¥330,000

1990年に,M-06はM-06αにモデルチェンジされました。M-06と基本的には同じ内容をもち,スペック等に
変化はありませんが,外観では,フロントパネルのサイド部のデザインが,C-06αに合わせる形で変更され,内
部はパーツ等の面で,電解コンデンサー,銅スチロール・フィルムコンデンサー,線材にいたるまで,随所にカスタ
ムメイド品が投入され,細部をさらにブラッシュアップし,より完成度が高められていました。
以上の結果,音の面でも,A級らしいきめ細やかで滑らかな音に,力強さが増したものになっていました。


以下に,当時のカタログの一部をご紹介し ます。



感銘の真髄に,近づいた。
αに託した真正ピュアA級アンプの
新しい表 現領域。


◎鮮 明な力感を加えた
 ピュアA級55W+55W。
◎大型トロイダル電源トランス。
 表示用に独立トランス搭載。
◎音質最優先で素材を吟味し
 随所にカスタムパーツを使用。
◎瞬時の出力変化を直読できる
 デジタルメーター。
◎高品位のシャンペンゴールド。
 音楽再生機としての美しい造形。
◎極性が統一できるラインフェイズセンサー。
◎より質の高い音楽表現に向けて
 モノラル使用のご提案。



●SPECIFICATIONS●

連続実効出力
ステレオ使用時:55W+55W(8Ω,20〜20kHz,A級両ch 同時動作)
モノラル(バランス入力)使用時:220W(8Ω,20〜20kHz)
入力感度
ステレオ使用時:1V/55W
モノラル(バランス入力)使用時:1V/220W
入力インピーダンス
ステレオ使用時:50kΩ(COAXIAL),100kΩ (BALANCE)
モノラル(バランス入力)使用時:100kΩ
入力レベル調整
50kΩ固定抵抗切換式,12ポイントアッテネーター (COAXIAL)
全高調波歪率
ステレオ使用時:0.008%以下(8Ω,両ch同時動作)
モノラル(バランス入力)使用時:0.008%以下(8Ω)
混変調歪率
ステレオ使用時:0.008%以下(8Ω,60Hz:7kHz=4: 1)
モノラル(バランス入力)使用時:0.008%以下(8Ω,60Hz:7kHz=4:1)
周波数特性
ステレオ使用時:5Hz〜300kHz+0,−3dB
モノラル(バランス入力)使用時:5Hz〜300kHz+0,−3dB
SN比
ステレオ使用時:110dB(IHF-A)
モノラル(バランス入力)使用時:110dB(IHF-A)
ダンピングファクター
100(8Ω,50Hz)
付属装置
ピークホールド付デジタルピークパワーメーター(メーターOFFスイッ チ付)
COAXIAL/BALANCE入力切換スイッチ
BTL接続スイッチ,ラインフェーズセンサー
消費電力
300W
電源電圧
AC100V(50/60Hz)
外形寸法
444W×211H×417Dmm
重量
22kg

※本ページに掲載したM-06,M-06αの写真,仕様表等は1987年,1990 年
 のLUXMANのカタログより抜粋したもので,ラックス株式会社に著作権があり
 ます。したがって,これらの写真等を無断で転載・引用等することは法律で禁じ
 られていますのでご注意ください。

  
 
 
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