MICRO BL-101
ARMLESS PLAYER SYSTEM ¥158,000
1981年に,マイクロが発売したプレーヤーシステム。マイクロがアームレスプレーヤーシステム
と称しているように,トーンアームを装備していないプレーヤーシステムで,つまりターンテーブル
システムといえるモデルでした。1979年のBL-71からスタートした,「BL」の型番を持つシリー
ズの,最上級機として発売されたBL-111に次ぐモデルとして発売されたのがBL-101でした。



ターンテーブルは,マイクロ独自の二重ターンテーブルが搭載されていました。直径305mm,
重量3kg,慣性モーメント500kg・cm2の特殊アルミ製のメインターンテーブルと直径180mm,
重量1.4kg,慣性モーメント72kg・cm2の亜鉛製のサブターンテーブルを組み合わせたもの
で,異種金属の組み合わせによって,それぞれの金属の振動モードの差異により,振動を効
果的に吸収し,鳴きを大きく減少させたものでした。メインターンテーブルとサブターンテーブル
は3本のビスで強固に面接合していました。接合面は,マイクロ自慢の高精度研磨により,完
全なフラットサーフェスを実現し,メインターンテーブルの鳴きを効果的にダンプしていました。
また,サブターンテーブルとセンターシャフトの結合は,従来のテーパーによる結合方式を発
展させ,より確実な圧入方式(圧力を加えて押し込む)を採用し,仕上がり時の強度を高く仕上
げ,支点の明確化を実現していました。

ターンテーブルを支えるシャフト部は,上級機BL-111と同様に軸径16mmのステンレス鋼シャ
フトとしんちゅうのブロック削出し加工による大型アセンブリーで,真円度0.4μmの極太のス
テンレスシャフトは熱硬化処理を経た後ラッピングされ,さらに,軸受けと一対の組み合わせで
精密ラッピングされ,鏡面仕上げされていました。シャフト表面に接する軸受け側は,上下2ヶ
所の特殊合金ベアリングを採用し,シャフトの回転にともなって油膜に鉛の分子が均一に析出
され,非常に滑らかな観点が持続する新素材となっていました。シャフトとベアリング間は,オ
イルバス方式(特殊合成オイルが充填されている)により,滑らかな回転を可能としていました。
そして,二重ターンテーブルということもあり,ターンテーブルシャフトの長さは「BLシリーズ」中
最長でした。そこで軸受け部のラジアル方向の長さも長くして,軸受けとの隙間によって生じる
ガタを排除していました。

ターンテーブルの駆動方式は,ベルトドライブ方式で,駆動モーターには,4極6スロットアウター
ローター型ブラシレスDCサーボモーターが搭載されていました。±6%の速度調整が可能で,
メインターンテーブル外周裏面にストロボが設けられ,反射鏡により前面インジケーターでチェッ
クすることが可能となっていました。

キャビネットは強度の高い重厚なもので,ウレタンフィニッシュの天然木ツキ板仕上げとなって
います。アームマウントベースは,アームによってA-1201~A-1206がそろっているA-1200
シリーズが付属していました。しんちゅう製の堅牢なアームマウントベースで,標準で1個を選べ
るようになっていました。そしてターンテーブルを支えるシャフトアセンブリーとアームマウントは,
堅牢なフレームで結合され,回転メカニズムとアームサポートの「ダイレクト・カップリング」とする
ことで,プレーヤーの共振モードの改善と大きな回転エネルギーに対しても余裕のある機械的強
度を実現していました。また,ダストカバーはアクリル貼り合わせで,Vカット構造を採用していま
した。


MICRO BL-101L
ARMLESS PLAYER SYSTEM ¥198,000

BL-101には,ロングアーム対応のやや大型のキャビネットをもつBL-101Lも発売されてい
ました。アームマウントベースは,ロングアームに対応したA-1501~A-1507から1個選べ
るようになっていました。

以上のように,BL-101/101Lは,マイクロらしい正攻法で性能を追求したベルトドライブ方
式のターンテーブルでした。海外のトーレンスなどにも見られるような二重構造のターンテーブ
ルは,国産機では珍しい存在でもありました。同社の糸ドライブ機に見られるハードなイメージ
に対して,上品なイメージのデザインが示すように,ハードになりすぎず,音楽をしっかりと聴
かせる方向の音になっており,使いやすい1台でした。


以下に,当時のカタログの一部をご紹介します。



異種金属二重ターンテーブル。
共振モード追究の新たなる解答。


「ダイレクト・カップリング」と「二重ターンテーブル」
でエネルギーの変換ロスを激減。




●BL-101/101Lの規格●

駆動方式 ベルトドライブ 
モーター 4極6スロットAUTOローター型ブラシレスDCサーボモーター
定格回転数 331/3,45rpm
メインターンテーブル アルミ製直径305mm,重量3kg,慣性モーメント500kg・cm2
サブターンテーブル 亜鉛製直径180mm,重量1.4kg ,慣性モーメント72kg・cm2
回転ムラ 0.025%以下(WRMS) 
SN比 60dB以上(JIS) 
回転数調整範囲 ±6%以内
電源 AC100V(50/60Hz)
消費電力 5W
外形寸法 532W×440D×215Hmm(BL-101)
570W×490D×230Hmm(BL-101L)
総重量 18kg(BL-101)
26kg(BL-101L)
付属品 アームマウントベースA-1200シリーズ1個(BL-101)
アームマウントベースA-1500シリーズ1個(BL-101L)
※本ページに掲載したBL-101/BL-101Lの写真・ 仕様表等は
1983年4月のMICROの
カタログより抜粋したもので, マイクロ精
機株式会社に著作権があります。
したがって,これらの写真等を
無断で転載,引用等をすることは法律で禁じ
られていますので,
ご注意ください。

 
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